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確か明日がそうなのではなかったでしょうか。
映画化の話も進んでおり、秋頃から順次公開されるようです。 もちろんTVでも特集を組まれ、 今また太宰熱再燃でしょうか。 私も代表作は読んでいます。 彼は自分を曝け出す事で何かを昇華するタイプだったようですね。 ただ、実は私、あまり太宰は好きではありません。 たぶん彼の生き方が女の私には受け入れ難い面があるからのようです。 ふらふらといろいろな女性に手を出し、 一緒に死にたがる。 子供のまま大人になったような純粋な人だったと思っています。 そのため、彼の作品を読み返すという事はこの先はたぶんないでしょう。 一作を除いて。 唯一気に入っている作品があります。 誰に尋ねても「知らない」と言われてしまいますが、 私にとって重く響くものがありました。 かなり風刺入っていますが、 私の内面をある種代弁しているように感じたものです。 それは「トカトントン」という作品。 大変小編なので、ほんの数十分もあれば読めてしまうものです。 ある人物が高名な作家に手紙を書くという体裁をとっています。 何かに夢中になろうとすると、金槌を打ちつけるような「トカトントン」という音が 頭の中に鳴り響いて、その後どうでも良くなってしまう、という心情を吐露しています。 その、ふとあらゆる物事が無意味となり、 虚無に包まれてしまう感覚に、 自分と共通する部分を見出し切ない気分になったものです。 作中では、手紙の主が、長文の手紙を書いている間に既にどうでも良くなっている、という、 ボケなのかツッコミなのか解らない状況に陥り、 その手紙に対して大作家が的外れは返事を返す、 という、笑えるオチがついています。 「人間失格」や「斜陽」ばかりが取り上げられますが、 私にとっては、「トカトントン」が最高傑作となっています。 誰か同じ意見の人っていないものだろうか。 そういう話を読む人は太宰を読まないって事か・・・ 納得。
by Nixe_ll88
| 2009-06-18 13:56
| 文学・美術
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