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「今だからみえる、原発と日米の関係」孫崎享氏講演会 10月15日(1)
「今だからみえる、原発と日米の関係」孫崎享氏講演会 10月15日(2) 「今だからみえる、原発と日米の関係」孫崎享氏講演会 10月15日(3) 最後にしゃべってないのが、TPPです。 これも、物凄く風雲急を告げて来ましたから、しゃべっておく必要があります。 今言われているのは、これに入らなければ日本の経済は浮揚しない、 これに入る事によって日本の経済は浮揚する、とこう言っているんですね。 じゃあ、考えてみましょう。 誰が入っているか。 アメリカの大陸の方から見ましょう。 アメリカはまあ当然として、北米中米で大きい国はどこ? カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン。 どこも入ってないんです。 チリとかベルーなんていうのは、そういう言い方するのは悪いんですけれども、 ほんのちょっとしたものですよね。 そんな所と一緒になって何で経済が上がるのですか。 ASEAN、見てみましょう。 我々はASEANの諸国だと言うと、インドネシア、タイ、フィリピン。 インドネシア、タイ、フィリピンは入っていますか。 入っていないんです。 シンガポール、ベトナム、それからブルネイ。 決してこれらはASEANの中心ではありません。 それよりも重要な事は、中国と韓国、台湾が入っていません。 我々は、もしも経済的な結び付きを考えるのならば、 一番最初に隣国との事を考えるはずなんです。 地域統合は皆隣国となんです。 去年あたり、日本の対中貿易は対米貿易を抜きました。 日本の市場は今、米国ではないんです。 米国の輸出、日本の輸出が過去15年、対米貿易が何倍増えたか質問しますね。 15年前に比べて日本の対米貿易がどれ位増えたか。 20%、30%、50%、2倍と行きますね。 (挙手タイム省略) 0なんです。 増えてないんです、15年間。 そして、アメリカの今、関税は2%ですから、米国向けに増える事はないんです。 中国は増えました。 ここ15年間位で6倍になりました。 質問。 これは外務省が調査しているんですね。 今米国にとって、米国の人達にね、東アジアで最も重要な国はどこですか? (「中国」という声が) もう、答えが出て来るんだよね(笑)。 もう中国になったんです。 日本じゃないんです。 もう東アジアもどうなるかってのは、米国ですら考え方を変えて来た。 我々は今、どう生きるかという事を真剣に考える時代に入って来た。 今までの延長線ではダメだよ。 いろんな所が、ありとあらゆる所がゴタゴタ。 今までの延長線では、日本はたぶん生きていけない時代に入りつつある。 そしてそれが代表的なのが原発だった。 それと同じ、殆ど同じものにもなっているにも関わらず、 日本のエスタブリッシュメントは依然として、 昔のものに戻る事が正しいと言っている。 違うんです。 我々は新しい戦略を考える時代に入って来たんです。 残念ながら、オピニオンリーダーと言われる新聞、テレビ、 これが発信する事はありません。 だけど、もしも個人がひとりひとり勉強をして、発信しようと思えば、 チャンスは一杯ある。 皆さんひとりひとりが今、Twitterの時代、ひとりひとりが発信出来るんですね。 例えば、信頼出来るお友達、あなたの言う事だったら大体信じてくれるというのは 何人位います? (と前列のひとりにマイクを向ける) あなたが言うなら、まあたぶん大丈夫だろうと言ってくれる人は何人位います? 受講者5:20人位。 だけど、私は20人の人には説得出来ないんです。 いい? あなたが正しいと言えば、20人が説得出来るんです。 それは皆。 たまたま、あなたに20人と聞きました。 たぶん、ここにおいでになる人は皆20人位はもっておいでになる(笑)。 お父さんと娘!(笑) だからね、これから皆が発信して行く時代に入った。 発信するという武器を持った。 アラブの春があった。 アラブの春はTwitterで始まった。 私は中国もそうだと思います。 中国は今5億人がインターネットをやっています。 さっきの皆自分達の新聞を、「プラウダもなし、イズベスティアもなし」と思っているから、 個人ひとりひとりが発信を始めました。 残念ながら日本はまだ、読売新聞が80%という位に新聞に対する信頼があると。 だから個人個人が発信する事はありません。 しかし、発信をしようと思ったら、チャンスがあるんです。 そこしか私は、日本の希望はないと思っているんですね。 日本も同じようにTwitterが武器になる。 そして、その時、じゃあ正しい情報をどっから取って来るか。 今例えば、私は日本のメディアに出る事は殆どありません。 7対2位で、「朝まで生テレビ!」でやっつけられる位で(笑)。 だけど、本はまだ大丈夫なんです。 原発の本だって、数年前から原発神話はおかしいと言っている本は、 ちゃんと売っていました。 だから、我々がたまたまその情報を取ろうとしなかっただけなんですね。 責められるべきは、我々自身なんです。 我々自身が、情報をしっかりしたものを持とうとすれば、 今度の事件の前に、ちゃんと警告した人が一杯いたんです。 で、幸いな事に、出版の人はたぶん1万部売れれば恩の字なんです。 1万人が本を買ってくれれば、その人の出版が続くんですね。 私、今日本を持って来ましたけれども、 そんなにムリする必要なないんです(笑)。 そんなにムリする必要はないのは、今私次の本2冊書いているんですよね(笑)。 だから、それはやはり、この『日米同盟の正体』というのが、 3万部売れたんですよね。 10刷位行きました。 だから、この人をやればまあ売れるな、と。 (それ)から、『日本の国境問題』も一応2刷に行ったんですよね。 (それ)が、解っています。 だから、次の本が今来ていますんでね。 だけど言える事は、皆さんがそういう人達の支持をし、 そういう人達の意見を発信する事によってのみ、 日本が変わるチャンスがあるんですね。 で、原発も同じです。 一番良いのは、原発がどう動くかっていうのは、 基本的には政府じゃなかった訳ですよね。 浜岡が何故止まったのか。 菅総理が特別浜岡を勉強した訳ではない。 しかし、浜岡はやろうとしたって住民の反対があって出来ないんです。 それが一番大きい理由。 それと同じ事を、我々はいろんな所でこれから出来るんじゃないか。 で、私は今の自分の環境で非常に良い事がひとつあるんですよね。 それは、自分の意図に反して仕事が無いという事なんです(笑)。 いや、私は良く言うんですけれども、これでも天下りのチャンスがあったんですよ。 (会場笑い) いや、本当に、いや、天下りのチャンスがあったと言うと、 ちょっと言葉がね、正確じゃない。 私は辞めてから、高校の同級生がね、「孫崎、おまえは行き先がないのか」と。 「いや、無いんだ」「それはかわいそうだから、じゃあ俺が探してやる」。 かなりちゃんとした会社の顧問を持って来たんですよ。 で、(給料月)何百万の可能性があったんですね。 だけど、外務省がつぶしました。 そういう事が起こっているんです。 だけど、別に僕は今感じているのはね、 天下りでないから、しゃべっているんですね。 あったら、この事(ホワイトボードを指して)、何もしゃべれません。 で、最近読んだ本の中に、これもTwitterで良くしているのですけれども、 『赤貧の思想』、中野・・・・(受講者に指摘され) 『清貧』(笑)、清い貧しい(笑)、赤貧じゃないね、清い貧しいの思想、 (正しくは『清貧の思想』) 中野(孝次)という方が、日本の中には伝統的に、贅沢を止めてしがらみを断って、 自分の生き方を追求するというのがいた、 良寛さんがそうであるし、というようないくつかの例を言っていたんですけれども、 私は意図せず、自分ではそっちへ行くつもりじゃなかった、 だけど意図せずこの環境があって、 これからも出来たら発信して行きたい、 出来たら皆さんと話してみたい、 というような事を、今思っています。 どうもありがとうございました。 「今だからみえる、原発と日米の関係」孫崎享氏講演会 10月15日(5)質疑応答
by Nixe_ll88
| 2011-10-17 22:35
| 政治・反戦
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