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6月30日の「たね蒔きジャーナル」の
小出裕章助教による解説です。 メインキャスター(以下「MC」):千葉猛氏 コメンテーター:池田昭 毎日新聞論説委員 ※完全な文字起こしではありません。 また、誤字脱字等、ご了承下さい。 ( )は補足。 MC:小出さん、今日もよろしくお願い申し上げます。 小出氏:こちらこそ、よろしく。 MC:今日は毎日新聞論説委員の池田昭さんと一緒に お伺いして参ります。 池田氏:こんばんは、よろしくお願いします。 小出氏:こんばんは、よろしくお願いします。 MC:まず今日はこの質問からなのですが、 今日福島市内の市民団体が6歳から16歳の子供達16人の 尿検査をした結果、 全員から微量の放射性物質が検出された、と発表をしています。 この放射性物質の量なのですが、 セシウム134の最大値が、8歳の女の子で尿1リットル当たり1.13Bq、 セシウム137の最大値が、7歳の男の子で1.30Bqという事なのですが、 小出先生はこれをどうご覧になりますか。 小出氏:確実に福島原子力発電所の事故から来たものです。 MC:という事は、内部被曝している可能性が高いという事ですか。 小出氏:可能性というか、確実です。 MC:これは本来人の体からは検出されてはいけない。 小出氏:セシウム134は、全く検出されないはずです。 セシウム137の方は、たぶん基本的には一桁低いと思います。 通常の状態であれば。 MC:とすると、もう非常に高い値が出ているというふうに見て 間違いありませんか。 小出氏:非常に高いというか、 セシウム134というのは半減期が2年なのですね。 それで、基本的にはもう福島の原子力発電所の事故が起きない限りは、 環境にはありませんので、 それが検出されたという事であれば、 確実に福島原子力発電所から飛んで来たものを吸い込んで、 内部被曝をしているという事になります。 (セシウム)137の方は、半減期が30年で、 1950年代から60年代の大気圏内核実験のために 地球上もうどこでもくまなく汚染されています。 私は尿というのは計った事がないのですが、 環境資料(指標?)の、例えば植物、松葉とかよもぎとか、 そういうものであれば、1kg当たりで0.1Bq、あるいは0.2Bqとか、 精々その程度なのです。 ですから、今それが1.3Bqとおっしゃったと思うのですけれども、 10倍程度高いように思えます。 MC:とすると、体にこれから影響が出て来る可能性というのも、 考えられますよね。 小出氏:影響は必ず出るのですね。 ただ、人間の体、あるいは尿の中には、カリウム40という放射性物質もあって、 通常のこれまでの状態で言えば、セシウム137の約1000倍程度ありました。 現在セシウム137が10倍になっている訳・・・ たぶんその位なのだろうと思いますけれども、 それでもカリウムの方が随分多いと思います。 被曝の危険度を考慮しても、 まだカリウムという自然の放射性物質の被曝の方が多い と私は思います。 池田氏:将来の発がんのリスクというのですか、 親御さん皆心配しますよね。 その辺りなかなか解らないのですけれども・・・ 小出氏:必ず増えます。 必ず増えますけれども、今私少し聞いて頂いたけれども、 天然にはカリウム40という放射性物質があって、 人間の体にくまなくあるのですね。 それから被曝しながら、所謂人間の普通の発がん率になっている訳で、 それと全く同じだけの被曝をしてしまうという事になれば、 人間の発がん率のうち、放射線で出ている分の同じものが 上乗せされるという事になります。 たぶん、まだそこまでは行っていないように、 私は直感的に思いました。 MC:尿から検出されたという事は、体の中から出て行く可能性というのは ある訳ですね。 小出氏:もちろんです。 人間というのは、代謝活動をしていますので、 食べ物で取り込んで老廃物を捨てている訳で、 セシウムでもカリウムでも、どんどん排泄しています。 MC:そうすると、今こういう値が出ているけれども、 体の中に溜まって行く分と、それから出される分というのも あるというふうに考えても良いのですね。 小出氏:はい。 ですから、今回の市民グループの方々の測定した尿というのが、 何月何日の時点なのかという事も、 かなり大切な事なのだろうと思います。 大変取り込んでいる時には、もちろん排泄も多くなっている訳ですけれども、 大量に取り込んでしまってからずっと経った後の尿だとすれば、 殆ど排泄されて来るものも少なくなっていると思います。 MC:こちらに入っている資料では、 5月下旬に採取したものだという事なのですけれども。 小出氏:ああ、そうですか。 たぶん、セシウムで言えば、3月の中頃、あるいは下旬の頃の採取が 多かったと思いますので、 その頃に尿を採取していれば、もっともっとずっと高い値が 観測されたはずだと、私は思います。 池田氏:5月頃と言いますと、もう低線量の被曝という事ですね。 小出氏:そうです。 大気中への放出が随分収まって来た頃の尿という事になりますので、 事故の初期に大量に放出されていた頃に 子供さん達が吸い込んだセシウムに比べれば、 随分少なくなっているはずだと思います。 池田氏:それでも、長期的に低線量の被曝をしているという事ですね。 小出氏:そうですね。 これからずっとして行く事になるだろうと思います。 MC:一番有効な対策としては、 やはりその土地を離れるという事になるのですか。 小出氏:基本的には、これから食べ物で摂らないという事が大切ですので、 私が是非やって欲しい事は、学校給食を注意をして、 子供達に対しては汚染度の少ないものを選んで与えるという事を やって欲しいと思います。 MC:解りました。 小出先生、それではこれからスタジオの方にリスナーの方から また沢山質問が届いておりますので、 それを順にお聞きして参ろうと思います。 よろしくお願いします。 まず、一番多く届いているのはこの質問なのですが、 東京にお住まいのラジオネーム(省略)という方で、 「農林水産省は放射性セシウムの濃度が1kg当たり200Bq以下の汚泥や、 汚泥の焼却灰、泥を燃やした灰は、肥料として利用出来るとしていて、 基準以下であれば、長期間農地に撒いたとしても、 土の中の放射性セシウムの濃度は過去40年程度の変動の範囲内に 抑えられるという事ですが、 私は食物汚染が毎年拡大して行ってしまうのではないかと、 心配なのですけれども、先生はどうお考えですか」 という質問です。 小出氏:今私聞いて頂きましたけれども、 所謂地球上というのは、くまなくセシウム137で汚染されてしまっているのですね。 大気圏内の核実験によって。 ただし、例えば土の汚染がどの程度かと言うと、 1kg当たりにすれば、ほぼ0.1Bqだと思って下さい。 それを今農林水産省は200Bqとおっしゃったのでしょうか。 MC:2000倍ですよね。 小出氏:1000倍の桁ですね。 そこまで許すと言っている訳ですから、尋常な程では、私はないと思います。 ただ、肥料等で撒くものは、大地の大量の土の上に撒く訳ですから、 それがどの程度の効果になるというのが、私にはにわかには解りません。 でも、ちょっと想像を絶する濃度だな、と私は思いました。 MC:なるほど。 かなり、やはり多いという事ですよね。 高いものを撒くという事になるという事ですよね。 小出氏:それを、どんどん撒くといえば、もちろん蓄積もして行きますし、 植物へ移って行くという事になると思います。 MC:それから、もう1問参ります。 こちらは芦屋市のラジオネーム(省略)という方ですが、 「今発売中の週刊誌に関西の放射線についての調査が 一覧表になっています。 大阪でもJR大阪駅向かいのビルの植え込みで地表線量0.34mSv、 私のいる芦屋でもJR芦屋駅北側街路樹の植え込みで、 地表線量0.23mSvと、 兵庫県が地上34mのモリタリングポストで計測している値と かけ離れて多いのに、びっくりをしております。 保健所に電話をした所、関西は花崗岩の関係でもともと線量は高い、 0.21mSv位では驚かないし、もともとそれ位あるのでは、 とかいった回答でしたが、 これは小出先生から見られると、ちっとも驚かれない事実なのでしょうか」。 小出氏:そうですね、ふたつの評価があると思います。 保健所が言ったという、その関西というのは花崗岩地域が多いので、 花崗岩というのは、ウランとトリウムの含有量が高いという性質を持っていて、 もともと放射線量が高いです。 ですから、六甲山などに行くと結構高い所が沢山あります。 ですから、あまり驚くほど高いとは私は思いませんし、 その今週刊誌に出ていたという、その数値が、 一体どうにやって測定したのかな、というふうに思います。 皆さん、簡易型の測定器というものを買われて、 それぞれ測定をされているようなのですが、 簡易型測定器というのは、言葉は悪いけれど、 相当誤差の大きなものです。 あまり、数値自身を信用しない方が良いと思います。 MC:そうなのですか。 小出氏:ですから、例えば簡易型測定器を5個とか6個、 あるいは10個とか買って来て頂いて、 それを同じ所で計ってみた所で、 その値自身は何倍も違うと。 ですから、測定値自身が高いとか低いとかいう事で、 値自身を問題にするという事は正しくありません。 MC:では、私達が放射線の値というのは何を信じたら良いのでしょうかね。 小出氏:放射線の測定というのは、厳密に言うと大変難しいのです。 私のような専門家がやろうとしても、 正確に空間のガンマー線量率というのを測定しろ、と言われると なかなか難しいですし、 簡易型測定器というのは、あまりもともと精度が良くない計器で、 山ほど仮定を入れて値を出して来ていますので、 値自身を正しいと思わない方が良いと思います。 ですから、その測定器を持って、自分の家の、例えば1mの地点、 それを駅に行って、同じような建物があまりないような所で1mの地点とか、 グラウンドに行って1mの地点とか、 同じような条件で計った時に、どの場所がどの程度、 何倍かとか、何分の1かとか、相対的なものを見るだけで 使って欲しいと思います。 MC:では1回計って、この数値が出たから、とかいうので云々と言う所では、 いけないという事ですね。 小出氏:そんな事で騒ぐと疲れるだけだと思います。 MC:解りました。 小出さん、どうもありがとうございました。 小出氏:いいえ。
by Nixe_ll88
| 2011-07-01 15:41
| 政治・反戦
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