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6月16日の「たね蒔きジャーナル」の
小出裕章助教による解説です。 メインキャスター(以下「MC」):千葉猛氏 コメンテーター:藤田悟 毎日新聞論説委員 ※完全な文字起こしではありません。 また、誤字脱字等、ご了承下さい。 ( )は補足。 MC:小出さん、今日もよろしくお願い申し上げます。 小出氏:こちらこそ、よろしくお願いします。 MC:まず今日は、最初はリスナーの方からの質問からなのですけれども、 こちらはラジオネーム(省略)さんという方です。 「いつも小出先生の話を聞いて勉強させて頂いております。 震災から3カ月、初めは汚染水の放出の影響で海に入る事がなかった サーファーが、茨城や福島の海に戻って来ました。 サーフィンをするようになりました。 地下に浸み込み、海に流れる汚染水の量や濃度も解らない、 これだけの放射能による海水汚染の前例がないという状況で、 小出先生のような専門家は、このようなサーファーの行為は どのようにお考えでしょうか」という質問なのですけれども。 小出氏:難しいですね。 まずは海の汚染度というものを、正確に調べなければいけないと 思うのですが、海岸等を管理している自治体があるはずですよね。 そういう自治体が、まずはその自分が管理している海の汚染度というものを 調べて、その数値をまず公表するという事から始めて欲しい、 と私は思います。 MC:まず、そういった形で確認をちゃんとしてからという方が、 良いという事ですね。 小出氏:そうですね。 サーフィンが好きな方は、もちろん海で泳ぎたいのでしょうけれども、 汚染度が解らない状態でやるのは、危険だと思います。 MC:では、次の質問なのでけれども、 稼働が遅れております汚染水浄化システムなのですけれども、 試運転が始まったというニュースが入って来ました。 で、ここで使われるゼオライトという物質は、 毎日交換しなければならないという事なのですけれども、 この汚染水浄化システムは、 原発の燃料を冷やすために水を入れていますけれども、 この水での冷却が続く限り延々と動かさなければならない という事なのですよね。 小出氏:そうです。 MC:では、ずっと動かし続けなければいけないというような状況に なりそうなのですけれども、 ゼオライトの汚染も、かなりのものになるというふうに言われていまして、 1㎤当たり1億Bqの汚染物になるという事ですが、 これは人間が簡単に近付けない値ですか。 小出氏:そうですね。 遠隔作業で取り扱わなければいけなくなると思います。 MC:この交換のために、近寄れないので長さ1.5mのマジックハンドを使って ゼイオライトを交換するという事らしいのですけれども、 1.5m離れたら、放射線の量はかなり弱まるのですか。 小出氏:まあ、それなりには弱まりますけれども、 猛烈な放射能で汚れているはずですので、 被曝が大変な事になるだろうと危惧します。 MC:マジックハンドを使っても、そんなに被曝せずに行けるという訳では なさそうな感じですかね。 小出氏:はい、そうです。 もちろん、密着するような事は危険すぎますので、 離れなければいけないでしょうけれども、 あまり長いアームだったら、今度は操作に手間取ってしまうでしょうし、 ある所で妥協する事になるのでしょうが、 1.5mものマジックハンドというのは、 なかなか慣れない人には操もが出来ないでしょうし、 被曝の蓄積というのが心配です。 MC:こちらは、こんなメールも来ております。 ラジオネーム(省略)という方なのですが、 「汚染水の浄化装置ですが、セシウム吸着装置に溜まった放射性物質を 最終的にどのように処理されるのでしょうか」という事なのですが、 このゼオライトが、最終的に年末までにドラム缶1万本分の 汚染された汚泥という事になるそうなのですけれども、 これは、最終的に・・・ 小出氏:先(?)はまだ決まっていないと思います。 大変な汚染物ですので、 どこかに簡単に埋めてしまうという事も出来ないでしょうし、 取り扱い自身が物凄い被曝をしながらでないと扱えませんので、 これからの重たい課題になるだろうと思います。 MC:これに関連して、このようなニュースが入って来ているのですけれども。 福島県が復興計画の基本方針に脱原発というのを、 はっきりと書いたというニュースでして、 この意図のひとつは、放射性物質に汚染された瓦礫を 県内で最終処分するという環境省の方針を受け入れる訳にはいかない、 というメッセージであるという事なのですが、 今先生おっしゃましたけれども、 大量の高レベル放射性廃棄物の最終処分場というのは、 今日本にはあるのでしょうか。 小出氏:ありません。 MC:となると、これからどこかに処分しなければいけない、と。 小出氏:そうですね。 こうなると、福島原発周辺はたぶん広大な汚染地が残るというか、 放棄しなければいけない土地が出来てしまいますので、 たぶん、国としてはそこを狙うでしょうし、 福島県としては、何とかそれを逃れたいと思っているのだろう、 と思います。 MC:でも、なかなかやはりこの最終処分場というのは、 これから決めるのが至難の業というか、 大きな課題になって行くという事ですね。 小出氏:そうですね。 誰にとっても放射能など受け入れたくはありませんから、 結局は、これまでの歴史で言えば、弱い所弱い所がやられて来た訳ですね。 これから、これをどうするかという事は、 私達日本人ひとりひとりに付きつけられている問題だと思います。 MC:それから、もうひとつ気になるニュースが伝わって来ているのですが、 福島県で全ての小中学生や幼稚園児に放射線測定器を持たせる事を 決めたというニュースが伝わって来ているのですけれども、 心配なのが、低線量被曝という現象なのですが、 ただちに人の体に影響はないレベルと言われている数値の低い放射線でも、 まだ事故は収束していないので、その土地に住むという事は、 長い間浴び続ける事になる訳ですが、 それは人の体にどう影響するのでしょうか。 小出氏:基本的には、ガンや白血病の発生頻度が増えるという事になります。 MC:それは大変な事ですよね。 小出氏:私は、大変な事だし、 特に子供というのは放射線に対する感受性が高いので、 何とか子供の被曝を減らさなければいけないと思います。 MC:それを防ぐための方法としては、どのような事があるのでしょうか。 小出氏:私がまずやって欲しいと思ったのは、 子供が集中的に集まって遊ぶ場所、 つまり学校とか保育所、幼稚園という所の 校庭の表土を剥ぎ取るという、 もうそれだけは絶対やって欲しいと思っています。 MC:それをまずやって、その後、まだ長く続くという事でしたら 次の段階としてはどのような事をしなければいけませんか。 小出氏:難しいですね。 後は、家庭で子供達をどうやって遊ばせるかという事で、 子供が良く遊んでいる場所を、 親の責任で綺麗にするというような事も必要でしょうし、 暫くの間は、マスクをなるべくさせるように習慣付けるとか、 いろいろな事をやはり知恵を絞らなければいけないと思います。 あと、食べ物はもちろんですね。 子供達には、汚染の高いものは決して与えないように 注意をするという事です。 MC:藤田さん、こういった注意をしなければいけないという事なのですが。 藤田氏:そうですね。 しかし、その表土を剥ぎ取っても、その表土自体をまたどこかで 処分する必要が生じる訳でしょう。 小出氏:そうです。 処分と言っても、放射能自身を消す事は出来ませんので、 どこかに移動をさせるという事しか出来ません。 藤田氏:先ほどの大量の放射性廃棄物を、 どういうふうに処分するかという方法も含めて、 可能性として想定出来る処分の仕方というのは、 地中に埋めるとか、海のかなり沖の方に持って行って海底に投棄するとか、 具体的にどういう方法が想定出来るのですか。 小出氏:海に捨てる事は、もう条約で禁止されていますので出来ません。 私は唯一可能だと思うのは、放射能の墓場を作るという事です。 福島原子力発電所の周辺の所は、 たぶんもう人が住むという事は出来ませんので、 ある一部の区画を、放射能の墓場にするという事を決めて、 そこに汚染度合いの低いものから高いものまで仕分けをしたものを、 (放射線の)強さに応じて、例えば建物の中に入れるとか、 地面の中に埋めてしまうとか、 仕分けをしながら対策を取る、という事しか出来ないと思います。 MC:そう言って置かれたものというのは、 何千年も何万年もやはり管理していかなければいけないのですか。 小出氏:そうですね。 基本的には、セシウムとストロンチウムというのが一番重要だと私は思います。 それは、半分に減るまで30年なのですね。 300年、何とか閉じ込める事が出来れば、1000分の1に減るという事なので、 例えば、今青森県の六ヶ所村に、原子力発電所から出た来た 低レベル放射性廃物というものを埋め捨てにしているのですが、 そこも300年間とにかくお守をする、と言って来ました。 ですから、福島の今回のゴミも、最低300年間は何とか閉じ込めるという事が 出来るようにしないといけないと思います。 MC:解りました。 小出先生、どうもありがとうございました。 小出氏:はい、ありがとうございました。
by Nixe_ll88
| 2011-06-17 14:44
| 政治・反戦
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