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7月21日の「たね蒔きジャーナル」の
小出裕章助教による解説です。 メインキャスター(以下「MC」):千葉猛氏 コメンテーター:近藤伸二 毎日新聞論説委員 ※完全な文字起こしではありません。 また、誤字脱字等、ご了承下さい。 ( )は補足。 MC:ここで、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんに お話を伺いました。 では小出さん、今日もよろしくお願い申し上げます。 小出氏:はい、こちらこそ、よろしくお願いします。 MC:今日は、毎日新聞論説委員の近藤伸二さんと一緒にお伺いして参ります。 近藤氏:小出先生、よろしくお願いします。 小出氏:こちらこそ、よろしくお願いします。 MC:さて今日も、スタジオにリスナーの方からの質問が沢山来ておりますので、 それを順番にお聞きして行きたいと思っております。 まず、一番沢山来ている質問なのですけれども、 大阪市のラジオネーム(省略)さんという方からですが、 「半減期が8日のヨウ素131などは、とっくに不検出になっているはずですが、 東京都下水道局が発表している下水の脱水汚泥中の放射性物質は、 セシウムだけではなく、未だにヨウ素131が検出されています。 最新の検査では、息子家族が住んでいる府中市や足立区などは、 ヨウ素131の検出量が増加しています。 これは一体何故なのでしょうか、教えて下さい」という質問です。 小出氏:問題は、ヨウ素だけの濃度を見るのではなくて、 セシウムとの比を見た方が良いと思います。 もともとは、事故が起きた当初は、ヨウ素はセシウムの10倍位ありました。 それで今約4カ月・・・130日位経っているでしょうか。 そうすると、半減期の10倍から15倍位経っていると思いますが、 そうすると、1000分の1にはもちろんなっているし、 3万分の1位にはなっていると思います、ヨウ素がですね。 ですから、もともとセシウムの10倍あった訳ですが、 それが3万分の1になったとすると、 セシウムの3000分の1位のヨウ素が存在している事は、 もちろんあり得るのです。 MC:半減に半減を繰り返して・・・ 小出氏:なくなっている訳ではないので、 それで下水の汚泥には、物凄い濃度の放射性物質、 ヨウ素もそうですし、セシウムも含まれて来ますので、 ヨウ素がまだ残っていたとしても、それは不思議ではあります。 ただ、セシウムとの比を取って考えてみた方が良いと思います。 MC:必ずしも、今こうやってヨウ素が検出されているからと言って、 継続して沢山のヨウ素が原発事故で放出されているという訳ではないのですね。 小出氏:はい、だと思います。 私、今聞かせて頂いたデータを見ていませんので、 正確にお答え出来ませんけれども、 ヨウ素だけを見ているのではダメだ、と思います。 MC:はい、解りました。 それから、次の質問になりますけれども、 これはイタリアのミラノにお住まいの方から頂いております。 ラジオネーム(省略)という方です。 「今月中旬から肉牛の汚染が話題になっていますが、 肉牛が汚染されていれば、乳牛も汚染されていると考えるのが 普通だと思います。 そして、牛が汚染されているなら豚や鶏だって 汚染された餌を与えられている可能性も否定出来ませんから、 是非小出先生の意見を聞きたいと思っております。 よろしくお願いします」という質問なのですが。 小出氏:もちろんですね。 豚も汚れていると思いますし、鶏も汚れていると思います。 MC:それが、どれ位のレベルに達しているかどうかという事なのですね。 小出氏:それは測定してみないと解りませんし、 今問題になっている牛は、所謂稲藁を食べていたというのですね。 豚とか鶏にどういう食べ物を与えているのか、 私は正確に知りませんが、 要するに、その事故の当時、屋外にあったものであれば、 食べさせているものがですね、 同じ現象が必ず起きると思います。 MC:やはり同じように放射性物質を含んだものになっているという事ですよね。 小出氏:そうです。 近藤氏:先生、肉牛の対策なのですけれども、 やはり全頭検査というのが必要なのでしょうか。 あるいはまた、するとすればかなり手間のかかる作業なのでしょうか。 小出氏:結構手間のかかる作業です。 ただし、肉牛って何百頭とか、精々千頭の単位で済むのではないでしょうか。 近藤氏:そうですね、何百頭単位だと思いますけれども。 小出氏:ですよね。 そうであれば出来ると思いますので、 やった方が良いと、私は思います。 MC:解りました。 次はですね、千葉県にお住まいのラジオネーム(省略)という方からですが、 いよいよ夏となりました。 海の水温もどんどん上がり、入道雲の発生から雨という 夏の自然サイクルが始まります。 福島から海に投棄された汚染水に含まれている放射性物質が、 雨となって再び陸に戻って来る可能性というのは、 あるのでしょうか」という質問なのですが。 小出氏:もちろん、原理的に言えばありますね。 ですから、海に流れて行っている訳で、 海から蒸発したものが、また雨となって陸に降ったりする訳で、 例えば、流れている放射能の中にトリチウムという名前の放射能があります。 それは、所謂水素なのです。 放射能を持った水素なのですが、それも海に流れているはずで、 環境に出ると水の形になります。 H2Oという形ですね。 そういう形になりますので、海水が蒸発して雲になれば、 それが、また雨になって落ちて来るという事ですので、 もちろん循環して陸にもまた戻って来ます。 参照:三重水素(トリチウム) from Wikipedia *ECRR議長クリストファー・バズビー氏による自由報道協会記者会見(7/20)でも、 トリチウムの危険性が質問され、指摘されている。 MC:どこかだけに固まってという訳ではないと思うのですけれども、 広く薄くという形で、やはり雨の形で陸に戻って来るという事ですね。 小出氏:そうですね。 いろいろな形で一度福島から出た汚染は、 あちこちに拡げながら長らくグルグル回るという事になると思います。 MC:放射性物質は基本的には無くならないのですものね。 小出氏:ええ、そうですね。 要するに、半減期でなくなってはくれますけれども、 自然にも放射能でなくする力はありませんので、 結局どこかに回り続けるという事になってしまいます。 MC:形を変えて常にどこかにあるという事ですね。 小出氏:はい。 MC:はい、解りました。 では、続いてこちらの質問です。 こちらは、ラジオネーム(省略)という方ですね。 「人工放射線核種と天然放射線核種の違いという事で、 ある方の話を聞きました。 そうしたら、放射線としては同じであるが、 人工は蓄積し、天然は蓄積しないと、お話をされていました。 今福島から漏れている放射線は、 自然放射線と同じだというような話をされるのですが、 やはり人工のと天然では、動き方が違うのでしょうか。 教えて下さい」という事です。 小出氏:要するに、私達が放射能と呼んでいるものは、 放射性物質なのですね。 ものですから、体に取り込んだ時の人間の体の代謝というものは、 物質毎に違っている訳ですね。 例えば、ヨウ素というものを皆さんずっとこの間聞かれて来たと思いますが、 ヨウ素というのは、人間にとっては必ず必要な元素なのです。 それで、それを甲状腺という所に集めまして、 ホルモンを作りだすという、そういう役割を負っています。 そして、天然にあるヨウ素というのは、一切放射能を持っていないという、 そういうヨウ素だけが天然にあります。 で、そういうヨウ素を人間という生き物は甲状腺に溜めて、 ホルモンを作るという、そういう生き物として今私達があるのですね。 でも、原子力発電所の事故が起こりますと、 放射能を持ったヨウ素が飛び出す訳です。 で、私達の、人間の方の側から見ると、 放射能を持ったヨウ素なのか、放射能を持っていないヨウ素なのかという事が、 全く区別がつきません。 ですから、放射能を持ったヨウ素が環境に漏れて来てしまうと、 それをせっせせっせと人間は体に蓄積してしまう訳ですね。 それが甲状腺に集まると、甲状腺のガンになるという事になりますし、 甲状腺の機能を損なうという事にもなる訳で、 天然という状態で放射能を持ったヨウ素がない所に、 放射能を持ったヨウ素を出してしまう訳ですから、 それは人間にとっては、ある意味危険を抱えてしまうという事になります。 MC:本来取り込むべきでないものを、 体の中に取り込んで行ってしまうという事になりますよね。 小出氏:そうです。 MC:はい、解りました。 小出先生、ありがとうございました。
by Nixe_ll88
| 2011-07-22 15:14
| 政治・反戦
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