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7月18日の「たね蒔きジャーナル」の
小出裕章助教による解説です。 毎回YouTubeにアップして頂き心より感謝を申し上げたい。 メインキャスター(以下「MC」):水野晶子さん コメンテーター:平野幸夫・毎日新聞「ほっと兵庫」編集長 ※完全なテキスト化ではありません。 毎度の言い訳、誤字脱字等ご了承下さい。 ( )は補足等 MC:小出さん、こんばんは。 小出氏:こんばんは。 MC:よろしくお願いします。 平野氏:こんばんは、よろしくお願いします。 小出氏:よろしくお願いします。 MC:まずは、牛肉の問題で伺いたいと思います。 放射性セシウムを含む藁が与えられた福島県の食肉用の牛が、 全国各地に流通していた、というニュースがございます。 この流通していた牛肉のうち、多くが、 兵庫県に肉牛が出荷されていたという話が出て来ました。 これは、当東京に次いで多いという事で、 恐らく、このたね蒔きジャーナルを聴いて下さっている方々のうちの多くの方も 我が家はどうだろうか、といいうような思いで、 心配をしていらっしゃるのではないか、と思うのです。 この事態に及んで、小出先生は、 私達どういうふうに対処すべきだと思われますか。 小出氏:私は、流通する事自身は反対していないのです。 福島県で生産される農産物、あるいは酪農製品も、 私は流通させろとずっと言って来た人間ですので、 流通させる事は良い事だと思いますけれども、 ただ、知らないまま流通されてしまって、 子供も含めてそれを食べてしまうような状況を、 私は一番嫌います。 どれだけの汚染した牛肉がどこに流れているかという事を、 きちっと知らせながら、これからやって欲しいというのが、 私の願いです。 MC:でも、うちの店で出している牛肉はどうやらセシウムに汚染されている、 という事を、店が開示した時に、それを消費者は買いますか? 小出氏:買わないでしょうね。 MC:ね! 買わないのではないかと思うのですよ。 例え、大人だけの家庭であっても、 なかなか手を出す気にならないのではないか、と。 小出氏:たぶんそうだろうと、私は思いますけれども、 でも、私は皆さんに知って欲しいのです。 3月11日を境に世界は変わったのです。 私達がこれから日本という国をどのように作っていきたいかという事を考えた時に、 私はやはり一次産業を支えたいと思いますし、 子供には汚染の食品を食べさせたくないと思いますので、 原子力をここまで許して来てしまった大人、 放射能の汚染を許した大人がどうすべきなのかという事を、 やはり皆さんに考えて欲しいと思うし、 考えるための条件というもの、つまり、どれがどれだけ汚れているという事を、 日本の国と東京電力にきちっと表示させるようにさせたい、 というのが私の願いです。 MC:ただ、大人はこれから先ずっとこうした形で汚染された食品を 食べ続けて大丈夫なのですか。 一時の事ではないのではないですか。 小出氏:大丈夫ではないです。 被曝というのは必ず危険ですから、 被曝に関して大丈夫とか、安全とか、そういう言葉を使ってはいけません。 ですから、大人が、 私は大人に食べて下さいと言っている訳ですけれども、 大人の人にとっても大丈夫なんていう被曝はありませんし、 安全な被曝もありません。 ただ世界が変わってしまった以上、 それを引き受けるしかないと、私は思っています。 MC:例えば、消費者としましては、これ位の放射性物質であれば、 まあ健康に大きな被害は出ないだろう、と、 長期的な見通しを科学的に示されたら、ある程度の安心が得られて、 そうした食品にも手を出そうと思うかもしれない、と思うのですよ。 そうした長期的な実証と言いますか、データというのはあるのですか。 小出氏:私が信用している長期的なデータというのももちろんある訳で、 1mSvという被曝をした時に、全年齢の平均で言えば、 1万人に4人がガンで死ぬと。 ただし、もう50歳を過ぎたような大人であれば、 それの100分の1位になっています。 ですから、100万人に4人という位しか(ガンで)死ななくなる訳ですから、 その位の危険は、精々引き受けるべきだし、 それが10mSvになった所で、10万人に4人ですから、 せめてそれ位の事を引き受けながら、 これからの日本という国を少しでもマシな国にする、 という位の責任は負って欲しいと私は思います。 MC:でも、今や逆に言いますと、子供に安全な牛肉を食べさせたいと思っても、 どれが安全なのかが解らないというような段階に 近付いているのではないかと思うのですよ。 小出氏:そうです。 それが一番悪い事なのであって、どの肉がどれだけ汚れている。 どの野菜がどれだけ汚れているという事をきっちりと知らせて貰わない限りは、 選択が出来ないという状態に私達は追い込まれているのです。 それをきっちりと知らせるという責任こそが、 国と東京電力にあると思います。 MC:また、福島県の牛が出荷停止になるようなのですが、 これは、福島県だけの問題ですか。 小出氏:違います。 要するに、汚染というのは連続的にある訳ですね。 ですから、国が決めた1kg当たり500Bqという基準を超えている、 もちろん牛もある訳だし、 ちょっと下回っている牛もいる訳ですけれども、 皆連続的に汚染があるし、連続的に危険が存在しているのです。 そのどこかの基準を超えたら危険で、 その基準を下回っていれば安全なんてものは、 もちろんないのです、もともと。 福島県であろうと、宮城県であろうと、茨城県であろうと、 あるいはちょっと離れた所でもホットスポットというような所に位置してしまえば、 皆汚れている訳だし、 程度の高い汚染、程度の低い汚染として連続的に繋がっています。 平野氏:先生、たまたま牛肉の話になっているのですけれども、 例えば3月の事故以降、戸外で放置していた食品というのは、 結構あると思うのですよ。 例えば、大根などを干している農家の軒下ですとか、 様々考えられるのですけれども、この辺などは計測は必要でしょうし、 出荷時の情報というのは大事になって来ると思うのですけれども、 今もあまり政府とか自治体とかは、あまりやっていませんよね。 小出氏:もちろん皆、そんなものを見たくもない訳ですし、 政府の方はもなるべく安全だという事を宣伝したい訳ですから、 積極的にやらないという事を今日まで来ている訳ですね。 でも、もちろん、乾燥させたような大根にしてもそうですし、 お茶なんてものは、物凄い高濃度にもうどこでも汚れてしまっている訳ですね。 ただ、それをちゃんと消費者、国民ひとりひとりに解るように表示させるという、 システムを作るという事が、私達は一番大切な事だと思います。 平野氏:また牛に戻りますけれども、所謂餌で除染をする事が有効だという事が、 チェルノブイリの事故で研究されたらしいのですけれども、 実際にやっていたらしいのですけれども、 先生はその辺をお聞きになった事はありますか。 小出氏:はい、もちろんあります。 平野氏:顔料とかそいうものを使って。 小出氏:プルシアンブルーというのがありますけれども。 MC:プルシアンブルー。 小出氏:はい。 でも、それで防げるというのはたぶん僅かだろうと思います。 だから、汚染している所の藁とかを食べさせないという事が出来るのであれば、 もちろん、それはそれなりの効果がありますけれども、 所謂自然のサイクルの中で、酪農なら酪農という営みをして来た訳ですから、 いきなり全部の藁を捨ててしまえと言われても、 なかなか出来ないだろうし、捨てた所で放射能が無くなる訳ではありませんから、 またどこかで汚染が拡がる可能性という事に繋がってしまいます。 MC:今回爆発した時に、大量の放射性物質が空中に出て、 それで汚染された藁を餌をして食べた牛が問題になっている訳ですが、 これからは、こうしたセシウムを検出されるような牛肉というのは、 これからは出ないという事ですか。 小出氏:当時、3月の中頃から末にかけて、大量の放射能が出て、 もうそこら中汚れた訳ですね。 で、もちろん藁も汚れた訳で、その藁を食べた牛が今汚れている。 では、藁だけが汚れたのかと言えば、そうではなくて・・・ MC:そこですね。 小出氏:大地そのものが汚れてしまった訳ですから、 これからは大地で育つ野菜が汚れて来るという事になる訳ですし、 それを食べる家畜ももちろんまた汚れて来るという事になります。 MC:という事は、セシウムから完全に解放される事は、 相当時期が・・・ 小出氏:ないです。 MC:相当な時期、ないのですか。 小出氏:そうです。 これから100年という単位でない訳です。 MC:濃度の多少はあれ、ずっとセシウムに汚染されたものを 私達は摂取する以外、もうないのですか。 小出氏:そうです。 だから、日本の国は基準を決めて、 基準を超えない限り安全だというふうに、 日本の国は思わせようとしている訳ですけれども、 そんな事はもちろんないのであって、 基準を下回った所で危険はずっと付き纏って来るのです。 ですから、それは、私は、子供には負わせたくないので、 とにかく汚染の仕分けをして、大人が引き受けて、 子供にはなるべく汚染の少ないものを与えるという、 そういうシステム作りを、私はしたいのです。 MC:例えば、子供のための食品基準値を新たに設けるといようなアイデアは いかがですか。 小出氏:基準値というのは、たぶん決められないと思います。 基準値を決めてしまうと、これより上は危険だけれども、 これより下は安全という事になってしまいますので、 何度も私、これも聞いて頂いたと思いますけれども、 映画で18禁というものがあるように、 食べ物に関してこれからは60禁、50禁、40禁、まあ20禁、10禁というふうに、 もう仕方がないので、なるべく汚染の少ないものは子供に回るような、 そういうシステムを作るという以外にはないと思います。 MC:はい、ありがとうございました。 平野氏:どうもありがとうございました。 小出氏:はい、ありがとうございました。 MC:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。
by Nixe_ll88
| 2011-07-19 14:53
| 政治・反戦
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