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7月12日の「たね蒔きジャーナル」の
小出裕章助教による解説です。 メインキャスター(以下「MC」):水野晶子さん コメンテーター:平野幸夫・毎日新聞「ほっと兵庫」編集長 ※完全なテキスト化ではありません。 毎度の言い訳、誤字脱字等ご了承下さい。 ( )は補足等 MC:小出さん、こんばんは。 小出氏:こんばんは。 平野氏:こんばんは、よろしくお願いします。 MC:よろしくお願い致します。 小出氏:はい、こちらこそ、よろしく。 MC:今日はまず、食品の放射性物質の基準値というものから 伺いたいと思います。 今回牛肉から基準値の7倍近いセシウムが検出されたという事、 非常に大きなショックを受けている方も多いと思います。 私もそうです。 あるいは、牛の餌にしていた藁から基準値のおよそ60倍程の放射性セシウムが、 検出されたというふうに、この基準値という言葉が良く出て来ますよね。 この基準値というのも、そのものがどれだけの科学的な客観性が あるものなのかどうか、教えて頂きたいのですけれども、 いかがでしょう。 小出氏:全く意味がありません。 MC:全く意味がありません・・・はあ? でも、私達はその基準値の何倍だという事によって、 大変ショックを受けている訳なのですが。 小出氏:もともと間違いです。 MC:それは、どういう意味での間違いでしょうか。 小出氏:放射線に被曝をするという事は、どんな意味でも危険です。 沢山浴びればもちろん危険ですし、どんなに微量でも危険です。 ですから、どこまでで安全なのか、どこまでで危険なのかという線を引く事は、 サイエンスの側から言えば出来ません。 ですから、それは社会的にそこまでなら我慢を出来るか、 あるいは我慢を捨てるしかないかという、それだけの線引きです。 MC:実際は、それをもって市場に出回らせるかどうかを 決めて行く事になっている訳ですけれども、 この基準値というのは、平野さん、3月17日に決められたものです。 平野氏:そうですね。 内閣府の食品安全委員会が17日に決めた、 何か、作為的な事があるような気がするのですけれども、 というのは、いろいろなデータが出ているのですけれども、 例えばこの間のチェルノブイリの近くのデータ、 基準値より飲料水が100倍程緩いと・・・ MC:緩いと! あの、すみません、日本とウクライナを比べた時に、 飲料水、これ以上の水準で放射性セシウムが出たらダメですよ、 というその数字が、日本の方が緩いのですか。 平野氏:緩いという。 しかも、この3月17日に全て、例えば野菜は7倍とか、肉類は2.5倍緩い、と。 MC:ウクライナに比べて、基準値が緩い。 それを決めたのが3月17日という事は、 もう既にメルトダウンしていた時期ですよね。 平野氏:だから、全て解った上で、これは原子力安全委員会の指標に基いて 内閣府の食品安全員会がこの日に決めたという事ですから、 もう大体状況は解っているはずなのですね、政府は。 MC:これは、小出先生はどう見られますか。 小出氏:今おっしゃった通りだと思います。 要するに、全て解ったままで、こういう基準で行くしかないという事を、 たぶん彼らは認識したのだと思います。 MC:では、ウクライナに比べて日本のこの基準値が随分緩い、 例えば、飲料水で言いますと100倍も緩いというのは、 良く解った上で決めている、と・・・ 小出氏:100倍緩いかどうか、今私自身もその数字を知りませんけれども、 多分どうしようもない状況に陥りつつあるという事を知りながら、 その基準を決めたと思います。 MC:飲料水で言いますと、ウクライナの値は1kg当たり2Bqというのが 基準ですね。 小出氏:これが本当かどうか、私知らないのですけれども、 そういう事だと言われているのは、聞いています。 MC:で、日本の場合は、セシウム134と137を合わせた値において200Bq。 つまり100倍という開きがあります。 この数字自体は、小出先生にはどう見えますか。 小出氏:私はずっと前から、3月11日で世界が変わってしまったと 聞いて頂いて来ましたし、もうどうしようもない事なのです。 この日本という国で生きる限りは、そういう基準を受け入れなければ、 福島県が失われてしまうという、そういう状態に陥っているという事です。 MC:つまり、ウクライナと同じ基準に例えばするとしますね、 市場に出すかとうかという基準を設ける時に。 そうすると、今のような状況ではなく、本当に原発に近い所のいろいろな産業が もっともっとしんどい事になるという意味を恐れていらっしゃる訳ですか。 小出氏:要するに、日本の国が、それを恐れているのですね。 私も、本当にそういう事に日本という国が耐えられるのだろうかという事を考えると、 出来ないかもしれないと思ってしまう。 この事(福島第一事故)を起きる前に止めさせたいと思った訳ですけれども、 止めさせられなかった訳です。 MC:ただ現在こうなってしまった以上、 基準値を決めざるを得ないかと思いますが、 その基準値の値が、今こんなにウクライナに比べて緩いという、 この状況で良いと思われますか。 小出氏:全然思いません。 ですから、その基準をもっと厳しくなければし、 特に責任のない人達を守らなければいけないと思いますので、 もっとキメ細やかに政策を作らないといけない、と私は思います。 MC:では、何かこういう基準でやれば良いという、 何か世界にはベースになるようなものはあるのですか。 小出氏:ありません。 MC:ないのですか・・・ 小出氏:要するに、放射線というのはどんなに微量でも危険な訳ですから、 どこまでを受け入れて、どこまでは受け入れられないという事は、 それぞれの所で、自分達で考えるしかないし、 今それが、私達に問われているという、そういう事です。 平野氏:でも残念ながら、国民全体の意識というのが、 被災地、福島周辺の人達には、あまり危機的な状況という意識を 持っていないですよね。 小出氏:そうです、おっしゃる通りです。 大変残念だと思います。 平野氏:今日たまたま夕刊で、厚生労働省が3月から6月の 食品の放射線量の増加推計値というのを、公表しれいるのですけれども、 食事で被曝した人は年25%増という、 これも取りようによっては多いなと思うのですけれども、 先生から見たら少ないかも解りませんけれども、 今まで食事で被曝するという言葉自身が、 今国民にとっては馴染みのない体験なのですけれども、 この25%増というのは、私などは凄い数字だな、と思うのですけれども、 それだけ先生のおっしゃる拡がりというのですかね、 放射能汚染の拡がりというものを示している数字ではないかな、 と思うのですけれどもね。 小出氏:はい、おっしゃる通りです。 ずっとこれがこれから受け入れるしかなくなってしまうのですね。 一律に25%という事を受け入れるのか、 子供はなるべく減らして、大人が受けるのか、という事は、 私達自身が、制度さえ作れば選択出来る訳ですから、 そうしたいと、私は願っています。 MC:今日、牛肉の話でいろいろな専門家があちこちでしゃべっていらっしゃるのを 私も見聞き致しました。 そういう方が多くおっしゃいますのは、 この値での検出されたセシウムを含む牛肉を1日当たり何g食べるとして、 それが1年、掛け算する訳ですね。 そうすると、いつくの値になる、だから心配はないのでだ、という事を おっしゃる方が多いように身受けました。 この計算式、この考え方について、小出先生はどう思われますか。 小出氏:もし、そう思われる方がいたら、その方が食べて下さい。 私は、東京電力の社員食堂は是非ともそういう食材でやって欲しいと思いますし、 国会議員の議員食堂もそういう食材でやって欲しいと思います。 MC:ただ、私思いますのが、その牛肉を毎日食べるかどうかは別としまして、 他にも、野菜も・・・ 平野氏:魚もね。 MC:魚も、いろいろなもの、水も、そして空気も、 いろいろなものを複合して、私達は被曝をせざるを得ない訳ですよね。 この事を受け止めないで、牛肉だけの計算で大丈夫かどうかを 論じるという事は、どうなのだろう、と思うのです。 小出氏:そもそも間違っています。 MC:もう、この考え方自体が間違っているのですね。 数字がどうのこうのの前に。 小出氏:もともと、だから放射線に被曝する事は危険だという事は解っている訳ですから、 放射性物質を含んだ食べ物を食べる事自身は、 本当はやってはいけないのです。 それでも、安全だというのであれば、その方々がやはり食べた方が良い訳だし、 責任のある東京電力、国会議員の方々、その方々がまず食べてから、 そういう発言をした方が良いと思います。 MC:それから確か、小出先生は、ストロンチウムという放射性物質が 人間の体には非常に影響を与えやすいものだとおっしゃったかと思いますが、 このストロンチウムを規制する値というのは、 今はあるのですか。 小出氏:今はありません。 MC:まだないのですよね。 小出氏:日本の法律で、例えば飲み水の中にどれだけストロンチウムがあってはいけないという、 そういう法律はありますので、それを厳密に適用すれば良いと思います。 それを緩めて、何かそのセシウム・・・ セシウムに関しても、もちろんある訳ですけれども、 そんな事は守れないので、という事で、 あっという間に1kg当たり500Bqとかいう基準を、 セシウムに対しては作ってしまった訳ですね。 それ自身は、私はけしからないと思いますし、 ストロンチウムに関しても、そんな基準を作ってはいけないと思いますので、 少なくとも、現在の法令を守れるようにすべきだと思います。 MC:現在の法令を守るようにしたら、食べられるものは沢山あるのですか。 小出氏:そんなにありません、たぶん。 これはあまり言いたくないけれども、福島でとれるものはたぶんないと思います。 MC:しかしながら、福島の生産者の方々を守らねばならないですからね。 私達は。 小出氏:そうです。 必ず守らなければいけないと思います。 MC:それも私達、一緒にこのエネルギー政策で 言って来た人間の責任だというのが、小出先生のお考えですよね。 小出氏:そうです。 MC:どうもありがとうございました。 小出氏:はい、ありがとうございました。 平野氏:ありがとうございました。 MC:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。
by Nixe_ll88
| 2011-07-13 15:00
| 政治・反戦
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