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7月5日の「たね蒔きジャーナル」の
小出裕章助教による解説です。 メインキャスター(以下「MC」):水野晶子さん コメンテーター:平野幸夫・毎日新聞「ほっと兵庫」編集長 ※完全なテキスト化ではありません。 毎度の言い訳、誤字脱字等ご了承下さい。 ( )は補足等 MC:小出さん、こんばんは。 小出氏:こんばんは。 平野氏:こんばんは、よろしくお願いします。 MC:よろしくお願いします。 小出氏:よろしくお願いします。 MC:今日は、まず国の原子力安全委員会が明らかにした事から 伺いたいと思います。 これは、原子力安全委員会がある調査をしておりまして、 福島県内の第一原発周辺の市町村に住む子供さん達、 およそ1000人を対象に放射線被曝、どれ位被曝したかという調査を 3月下旬にしていたという事なのです。 それが今回明らかになったのですが、 その3月下旬になされた調査によりますと、 子供達、調べた中の45%の子供達が、 甲状腺に被曝していたという事を、この程明らかにしました。 45%というとほぼ半分の子供さん達なのですが、 この数字を聞いてどう感じられますか。 小出氏:当然というか、もっと多かったかもしれないと思います。 MC:あ~、そうですか。 調べられている子供さん達がいた場所は、 いわき市、川俣町、そして飯舘村なのですね。 小出氏:なるほど。 かなり離れた所の子供達ですね。 MC:そうなのです。 例えば、浪江町のような、非常に原発に近い町の子供達ではありませんし・・・ 小出氏:どうして、そういう近い所は調べなかったのでしょうか。 MC:そうですよね、普通考えたら。 それで3月下旬の調査という事は、3月11日以降もう既に どの辺りが非常に危険性が高いかというのは、 十分解っているはずですよね。 小出氏:もちろん、3月11日に解っていました。 所謂SPEEDIというプログラムを動かしていたはずですから、 どこの子供達が被曝をするという事は、解っていたはずだし、 本当は対策も取らなければいけなかったのですが、 何の対策も取らない、SPEEDIの結果も公表しないまま、 被曝をさせてしまったのですね。 MC:調査そのものは3月下旬という事ですから、 だいぶ日にちが開いてからの調査をした、という事でしかありません。 この結果についてなのですが、もう少し数字を詳しく申し上げたいと思います。 この1000人の子供さん達に中で、一番高い被曝の数値を示した子供さんは、 1歳のお子さんです。 甲状腺被曝量、これが0.1μSv毎時です。 1時間当たり0.1μSvで、これは甲状腺被曝量に換算すると、 年50mSvに相当する数字だというふうに伝えられております。 この数字をどうご覧になりますか。 小出氏:たぶん小さ過ぎるし、 調査をした所が遠く離れた所という事もあるかもしれませんが、 福島原子力発電所の近い所の子供達は、 遥かに高い被曝をしていたはずだと思います。 それは、もう既に国の方の公表値でもあって、 500mSv、年に換算すると、それを超えている子供達が 沢山いるというような計算結果が既に公表されています。 MC:500mSvを超える子供達がいる。 年間500mSvというのは、どういう値だと思えば良いのですか。 小出氏:甲状腺だけですけれども、 要するに、甲状腺の機能が障害と受けるという事に相当するような被曝です。 平野氏:先生、安全委員会の審議官が精密測定の必要はない、 というように言い切っているのですけれども、 これはもう非常に問題だと思うのですけれども、 追跡なり、ずっとやはり子供達のケアが必要になって来ますよね。 小出氏:当然必要です。 平野氏:これ、全然やっていない気配ですね。 小出氏:そうですね。 平野氏:それと少し不思議に思うのは、 今浪江町のデータが入っていないという事ですけれども、 IAEAにほぼ1カ月前に報告しているにも関わらず、 私達のニュースになるのは1カ月遅れ、と。 もう様々都合の悪いデータが、IAEAの報告の中にもあるはずなのが、 何か断片的に出て来ていまして、 もうIAEAに報告したものを全部、我々に提示させるという事が、 大事だと思うのですけれども、 先生方の方には、そういうデータというものを入手出来ているのですか。 小出氏:私の所には少なくとも全く来ません。 原子力の旗を振って来た学者の方々には行っていたのかもしれませんが、 残念ながら私の所には、政府の方から、あるいは東京電力の方から、 一切のデータが来ません。 MC:未だにそうなのですよね。 小出先生の所に来たら、だいぶ国の姿勢は変わったと、 ひとつの指標として、私は思うかもしれませんが、 今のお話のように、IAEA、国際原子力機関に提出した報告書の中に、 この子供達の甲状腺被曝の調査した事は記しているようなのですが、 その結果、では何割の子供さん達が実際に被曝していたかは、 報告書に書かれていないという。 意味ないですよね。 小出氏:私はそう思います。 MC:でも、IAEAはそんなのでOKしているという事ですか。 小出氏:IAEAというのは、前にも聞いて頂いたと思いますけれども、 原子力を進めるための国際的な機関でもあるので、 なるべくその原子力を進める事に支障のあるような事は、 IAEA自身も知りたくないし、公表もしたくない、という、 そういう組織です。 MC:知らされても困るのですね。 小出氏:むしろ、そうですね。 MC:でも、これはほぼ半分、45%の子供達が甲状腺に被曝していた という事実を、本来国際的に知らせたら、 やはりもっと国際的にいろいろな批判が日本政府に来るのではないのですか。 小出氏:もちろんそうですし、私は先ほどから聞いて頂いていますけれども、 遥か離れた所の子供達が45%なのであって、 近い所の子供達はもっと沢山被曝をさせられてしまったという事なのですね。 ですから、そういう子供達の追跡調査という事を、 これから本当にしなければいけないのですけれども、 それすらをやる気がない、と日本の国が言っているのですね。 MC:今回調査した子供達の中でも、0.1μSv毎時というお子さんが、 一番高いという数字だけを見せられますとね、 それ程でもないのか、というふうに受け取りがちでしょうね。 小出氏:そうですね。 MC:この値であれば、年50mSvに相当するという値であれば、 本当に精密検査の必要なないレベルなのですか。 小出氏:いえ、それは解りません。 というのは、放射線の感受性というのは、もちろん年齢でも違って来ますし、 個人差というのが、物凄く大きくて、 ですから同じ被曝をしても、何でもない人もいる訳だし、 障害が表れて来るというという事もありますので、 本当であれば、1年間50mSvであるという、そういう子供達を きちっと調査するという事が科学的な態度だと、私は思います。 MC:個人差が大きいのですか。 それから、今回この原子力安全委員会の審議官が、 換算するには調査の精度が粗いと言っているのです。 (小出氏失笑) MC:何でそんなに精度の粗い調査をするのですか。 小出氏:もっと本当は早くやらなければいいけないのですね。 私達が気にしているのはヨウ素131という放射性物質ですけれでも、 8日経つと半分に減ってしまう。 そして、体に取り込んだヨウ素というのは、 排泄でどんどんなくなって行ってしまいますので、 被曝をしたその時に調査をするという事が一番大切な事であって、 3月の中旬に大量の放射能が出た訳ですから、 その時に本当なら調査をしなければいけなかった。 それが3月下旬になってしまうという事になると、 ヨウ素131自身が物理的になくなってしまっているし、 排泄でなくなってしまって行っているので、 なかなか調査が難しくなっていた時に初めてやったという事ですね。 MC:でも、調査する人はそんな事は解っていますね。 すぐやらなかったら、値が低くなるのを解っている人が、 3月下旬に何故かやっているのですね。 小出氏:原子力安全委員会という組織自身が、 全く機能をしていなかったのですね、当時。 MC:全く機能していないから、こんなに遅くなったのか、 ある意味考えて、この時期に、(3月)下旬にしたのか、 私には解らないですが・・・ 小出氏:ああ、なるほど。 そうなのかもしれません。 MC:どうなのでしょうね。 小出氏:解りません、私にも。 MC:という事は、まずはすぐにもっとやるべきだったという事と もっと原発に近い地域の子供さん達をちゃんと調査するべきであったという事・・・ 小出氏:調査というか、むしろ事故当時に対策を 取らなければいけなかったのですね。 本当は。 MC:本当は、あの時、小出先生がおっしゃったのは、 1mでも良いから遠くへ避難して下さい、とおっしゃった。 平野氏:そうですね、そういう・・・(クロストークで聞き取れず) 小出氏:私は12日にそう思いました。 MC:思って、おっしゃって下さったのですけれど、 それが、直ちには健康に被害はありません、という言葉に、 国としてはなっていたと。 小出氏:そうです。 MC:ここの開きが今になっていろいろこうやって見えて来る訳ですね。 小出氏:はい。 MC:はい、ありがとうございました。 また、明日もどうぞよろしくお願い致します。 小出氏:こちらこそ。 平野氏:ありがとうございました。 小出氏:ありがとうございました。 MC:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。
by Nixe_ll88
| 2011-07-06 15:36
| 政治・反戦
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