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6月29日の「たね蒔きジャーナル」の
小出裕章助教による解説です。 メインキャスター(以下「MC」):水野晶子さん コメンテーター:近藤勝重・毎日新聞専門編集委員 ※完全な文字起こしではありません。 また、誤字脱字等、ご了承下さい。 ( )は補足等。 MC:小出さん、こんばんは。 小出氏:こんばんは。 MC:よろしくお願いします。 小出氏:こちらこそ。 MC:そして、東京は近藤さんです。 近藤氏:こんばんは、よろしくお願いします。 小出氏:こんばんは、よろしくお願いします。 MC:まず伺いたいのは、原発問題を担当する大臣が生まれまして、 これに細野さんが就任されました。 早速こういう発言をなさっているのですね。 福島県には緊急時に屋内退避や県内から避難できるようにという 準備が必要だとされている区域がああります。 これは、避難準備区域と言いますが、 この避難準備区域を縮小する事を検討する、 という話をなさいました。 つまり、これは今外に出て避難してらっしゃる方に、 出来れば戻って来て頂きたい、という話だろうと思うのですね。 これを聞かれましたリスナーの方、ラジオネーム(省略)という方は、 イタリアですね、イタリアのミラノからメールを下さっているのですけれども、 「この避難準備区域の縮小について、 ニュースを聞いてびっくりしました。 全く事故が収束していないのに、どういう事なのでしょうか。 そんな事をしたら、被曝する方が増えるという事になりませんか、 非常に心配です。 小出先生のご意見を是非お聞かせ願えれば、と思います」、 こんなふうに下さったのです。 小出さんの見解はいかがでしょうか。 小出氏:とても難しいと言うか、 私は3月11日を境に世界が変わってしまったと発言して来ましたし、 被曝を避けようとすると生活が崩壊してしまうという、 そういう地域が既に広大に出来てしまっているのですね。 ただし、日本とは法治国家と言われているのですよね。 MC:そのはずですよね。 法の下に治められている国のはずです。 小出氏:そうですよね。 その法律では、普通の日本に住む人々は、 1年間に1mSv以上の被曝をさせない、と国が法令を定めたのですね。 そうであるなら、国がその法令を守るのが、 国の義務であるはずだし、 その義務に従って国民を守らなければいけない、というはずなのですね。 ですから1年間に1mSv以上の被曝をするような所は、 もちろん国がきちっと仕組みを作って人々を避難させるという事を やらなければいけないはずだと思います。 所が、その国の方は、何の謝罪もしないまま、 いきなり1年間に20mSvの被曝をさせてしまうという事を 決めた訳ですよね。 ですから、20mSv以上の所は、 一応避難区域にすると言っている訳ですけれども、 それ以外の所は、例えば19.9mSvでもそのまま許してしまう、 というような事を言った訳ですから、 もう正に法治国家ではないという事を、 国自身が言っているのですね。 本当なら私は、1年間に1mSvという基準を、 国がきちっと守るべきだと思いますが、 既にそれをもしやろうとすると・・・ MC:どうなりますか。 小出氏:福島県に相当する位の広大な面積を無人にしなければ いけなくなります。 MC:人はそこにはいられなくなるのですね。 小出氏:そうです。 ですから、それを本当に国として実行出来るか、 日本という国を、私達が支える事が出来るかという、 そういう選択を迫られる国に変わってしまっているのです、今。 MC:細野大臣は、戻って来て頂くための条件としては、 2つ挙げています。 ひとつは、まず工程表のステップ1が達成しているという事です。 つまり原子炉の安定的な冷却、 これが為されているという意味だろうと思うのですね。 これの目処が工程表で7月17日、半ばという事なのです。 このような目処を立てて、皆さんに戻って来て頂く事を検討する、 という事は、現実的に考えられる・・・ 小出氏:全く出来ません。 MC:全くムリですか。 小出氏:はい。 MC:そうでしょうね。 小出氏:もう6月も末な訳で、あと20日位しかない訳ですよね。 今の状況で言えば、到底出来ません。 近藤氏:ひとつ、先生良いですか。 MC:はい、近藤さん。 近藤氏:循環冷却が上手く稼働しているかどうかと関わっているのですか。 小出氏:それも関わってはいますけれども、 東京電力自身が既に炉心がメルトダウンをしてしまっていると、 認めている訳ですから、 循環冷却が仮に出来たとしても、 安定的な冷却はもう既に出来ません。 MC:そうなのですか。 循環的な冷却が進んだとしても、進んでいませんが、 進んだとしても、安定的な冷却には至らないのですか。 小出氏:もう要するに、炉心がその場所にない訳ですから、 溶けて落っこちてしまっている訳ですよね。 MC:そういう事は、これからずっと安定的な冷却はないのですか。 小出氏:はい。 今の東京電力が言っているように、 炉心が既にメルトダウンをしてしまっていて、 メルトスルーもしてしまっているとすれば、 安定的な冷却は出来ません。 近藤氏:スルーしているという前提で考えた時に、 地中にコンクリートでどうのこうのという話はなかったですかね。 小出氏:私が提案しました。 近藤氏:相当なお金がかかるから、 東京電力は嫌だとか言っているのですかね、今。 小出氏:というふうに、私は報道で聞きましたけれども、 お金がかかるといって、1000億円だと言ったのですね。 そんなちゃちな事を何で躊躇するのかと、私は思います。 事故で生じた被害を本当に保障しようと思えば、 何十兆円払ったとしても保障出来ないという、 そういう事故なのですね。 それを1000億円ケチるなどと、そんな事では到底おかしいと思います。 MC:つまり、小出先生のアイデアは、 汚染水が地下水にどんどん行ってしまわないように、 少なくとも今すぐに出来る事は、 コンクリートで地中に壁を作るできである、というご意見。 それに対して、1000億円のお金がいるのではないか、 と言われている訳ですが、 これを東電は先に進めていない訳ですよね。 小出氏:みたいですね。 MC:だけど、そうなりますと、 この1000億円で壁を作るかどうかという事についても、 安定的な冷却が出来るのだという大前提では、 この壁を作る事が、早急な策として必要だという認識に至りませんよね。 小出氏:そうです。 壁というのはただただ、私が言っている壁というのは、 ただただ汚染を拡げないという、それだけの事です。 MC:防御の、最低今出来る防御であって、 攻めの策はもう取れないという意味ですよね。 小出氏:そういう意味です。 MC:未だに、安定的な冷却を目指すのだという、 この大前提を国が取り続ける限り、 では防御が出来ないまま、どんどん汚染水が地下に流れて行くという 事になる訳ですか。 小出氏:そうですね。 汚染水の汚染を除去する装置とか言っていますけれども、 それも、単に溜まっているものをグルグル回すというだけの事であって、 溜まっている状態が解消される訳でも何でもないのですね。 溜まっている間にどんどん漏れて行ってしまっている訳ですから、 私はもっともっと前にやるべきは、 溜まっている水をどかすという事だと思うのですが、 それすらやらないという事になっています。 MC:この避難準備区域の縮小について言いますと、 もうひとつの条件を、細野さんが挙げているのは、 水素爆発が起こらない状況が確実に解れば、と言うのですね。 水素爆発は、もう起こらないのですか。 小出氏:私は、東京電力が言っているように、 既に炉心がメルトダウンしてしまっているとすれば、 水素爆発はもう起きない、と思います。 MC:それは、何と言うのですか、 良い意味として捉えたら良いのですか、 それとももう水素爆発さえも起こらない状況になっているという意味ですか。 小出氏:どちらにも取れますけれども、 水素というのは、燃料棒の被覆管というのが水と反応して出来るのです。 ですから、もう燃料棒の被覆管が全部水と反応してしまって 跡形もないというのであれば、水素爆発は起きないのですけれども、 炉心はもう溶けてしまって、手の打ちようがないという事になります。 近藤氏:3号機だったですか、また窒素を入れるとか入れないとか 言っていますけれども、あれは水素爆発を懸念しているのではないのですか。 小出氏:そういう事でしょうけれども、 それならば、まだ炉心の全部が崩壊しているというふうではない、 という前提に立っているのですね。 もしそうであれば、水素爆発の可能性もありますし、 私が一番恐れている水蒸気爆発の可能性もあります。 MC:水蒸気爆発の方が、恐ろしいですか。 小出氏:私はそうだと思います。 MC:という事は、大前提、事実がどうであるかによって、 何を今するべきか、先にするべきかは、違って来ますよね。 小出氏:ただし、どういう状況にあるかすらが、 解らないのですね、今は。 MC:最悪の場合を、想定していろいろな手を打つべきかと、 素人ながら思いますが、 水蒸気爆発が起こらないようにという防御は、 今しているのですか。 小出氏:水を入れるという事です。 MC:もう、それしかないのですか。 小出氏:ひたすらもう水を入れて、炉心をこれ以上崩壊させない、 という事以外にはありません。 近藤氏:先生、収束というのはあるのですか。 小出氏:収束ですか? 事がここまで来てしまうと、とても難しいと思いますが、 東京電力が言っているように、まだ炉心の半分までは水があると、 原子炉の水位計はそれを示している訳ですけれども、 もしその状態で留まっていてくれるのであれば、 原子炉の中に水を入れて、これ以上溶かさない。 そして、循環式の冷却が出来るのであれば、 それなりの安定な状態に持って行けると思います。 MC:それなりの安定な状態というのは、 もうそこから放射性物質は出ないのですか。 小出氏:もう既に圧力容器にも格納容器にも損傷があるという事が 解っていますので、 汚染水がいずれにしても漏れて来てしまうのですね。 その漏れて来た汚染水を、また炉心の中に戻すという、 循環式の回路が出来れば、 (放射性物質が)全然出ない訳ではありませんけれども、 外から水を入れて、どんどん汚染水を溢れさせるという、 これまでのようなやり方からは逃れる事が出来ますし、 外部に拡げる汚染は、それなりに少なく出来ると思います。 MC:大前提を、どこのレベルに捉えて、今出来る限りの事をやるか。 大前提を、もしかしたら国は間違えているかもしれないし、 と小出先生は今思われる訳ですね。 小出氏:そうです。 MC:ここの所、なかなか国は変わりませんね。 小出氏:(失笑)変わりませんね。 この前、国会議員の方々とも、私は話をさせて頂いたけれども、 タンカーを検討していて、もう今にも出来るような事をおっしゃった。 参照:自ブログ 「6月20日MBSラジオスペシャル 小出裕章氏と政治家3人との対話(1)」 MC:おっしゃいました。 小出氏:と、思いますけれども、あれからもう半月位経ったのでしょうか。 何も動いていませんし、 一体どうなっているのかな、と私は思います。 MC:はい。 どうもありがとうございました。 小出氏:いいえ。 MC:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。
by Nixe_ll88
| 2011-06-30 16:03
| 政治・反戦
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