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6月27日の「たね蒔きジャーナル」の
小出裕章助教による解説です。 毎回YouTubeにアップして頂き心より感謝を申し上げたい。 メインキャスター(以下「MC」):水野晶子さん コメンテーター:平野幸夫・毎日新聞「ほっと兵庫」編集長 ※完全なテキスト化ではありません。 毎度の言い訳、誤字脱字等ご了承下さい。 MC:小出さん、こんばんは。 小出氏:こんばんは。 平野氏:こんばんは。 MC:今週もよろしくお願いします。 平野氏:よろしくお願いします。 小出氏:こちらこそ。 MC:まず、汚染水をいかにして浄化して行くかという課題ですけれども、 この浄化システム、10日も前からやっていますけれども、 トラブル続きです。 今日も夕方始ったのですが、また1時間半程で停止してしまいました。 小出先生、感想を教えて下さい。 小出氏:今日夕方からやったのは、所謂循環冷却という試みをして、 それがうまく行かなかったのですね。 その前にやっていたのが、汚染水の浄化作業というのものですが、 それももう何度も何度もトラブルを繰り返しながら、 やっとここまで来た、という事で、 技術というのは、極当たり前なのですけれども、 トラブルを経験しながら、それを乗り越えながら、 一歩一歩行くしなかない、というものなのですね。 ですから、浄化システムにしても、 所謂初期トラブルというのは、もちろんある訳だし、あった訳だし、 今の循環冷却という事もトラブルがたぶんこれからも続くと思います。 それを乗り越えながら、少しずつでも進めるしかない、 という事で、何とかうまく行って欲しいと願います。 MC:このやり方そのもので、進んで、学んで、前に行くものなのですか。 小出氏:解りません。 問題は、とにかく原子力発電所の事故というのは、 放射能を相手にしますので、 普通の工場のトラブルであれば、何かトラブルがあれば直しに行って、 それを乗り越えて行けば良いという事なのですが、 こと原子力発電所の事故の場合には、 放射能があるし、被曝はもう避けられないという事で、 トラブルがあれば被曝が重なる、 そしてどんどんまたそのトラブルによって汚染が拡がって行きますので、 被曝が益々多くなってしまうという事で、 本当に辿りつけるのかどうかという事もよく解りません。 MC:しかし、この方法しか今はないのですか。 小出氏:循環冷却という事は私自身もずっとやって欲しいと・・・ MC:早くからおっしゃっておりましたが。 小出氏:言い続けて来ましたので、 原子炉の炉心というものが、まだ健全であれば絶対やらなければいけないし、 それをやるべきだと、私は思って来ました。 ただし、5月の中頃から東京電力は、 既に炉心はメルトダウンしてしまっている、と主張を変えた訳ですから、 もう循環冷却自身がもう意味がないかもしれない、 と私自身が思っています。 平野氏:そうすると、例えば、今もう間もなく梅雨ですよね。 あるいは一杯、または降る可能性というのは、 100mmの雨で6cmまた(汚染水の水位が)増えると。 3号機は5cm増えると。 東電は先送りして7月の始め位に危機(?)ラインが来るというような事を 言っているのですけれども、 このままでは、溢れ出すという可能性はありますよね。 小出氏:もちろん溢れ出す可能性はあるし、 それを何とか避けなければいけないのですけれども、 溢れ出さないにしても、もう既に漏れてしまっている・・・ 平野氏:ああ、下の方から・・・ 小出氏:訳ですから、とにかくその汚染水を、 循環冷却をしようとしまいと、 あるいは浄化システムが成り立つか成り立たないか、 そんな事とは全く無関係に汚染水を除去しなければいけません。 そちらの作業が全く進んでいないという事が、 私には不思議です。 MC:そうですね。 そして、福島県民の方々への被爆調査がやっと始りました。 この調査内容は、今やっている内容で十分でしょうか。 小出氏:すみません、水野さん、すこし声が聞き取り難い、ごめんなさい。 MC:ごめんなさい。 もう少し大きくおしゃべりさせて頂きます。 福島県民の方々に対して被爆調査が始まりましたが、 この長さんに内容、やり方は今のもので十分ですか。 小出氏:よく解りません。 所謂原爆被爆者の調査という事をずっとやって来た訳で、 その経験を何とか生かしながらやろうとしているのだと思います。 何月何日にどこにどういう形で居たという事を、 聞き取り調査しながら、積み上げて行くという事なのですが、 でも皆さん、考えて欲しいのですが、 100日前のある時に、自分が何をどこでしていたか、という事を、 正確に思い出す事が出来るか、というと、 かなりやはり不正確だろうと思いますし、 かなりの誤差を持ってしか、もう既に評価が出来ないという、 そういう事になっていると思います。 だから、内部被曝を測定するという事も、 全く手段がない訳ではないですが、 100日も前の内部被曝の量を評価するという事は、 殆ど出来ないというか、相当な困難があると思わなければいけません。 MC:また、調べる放射性物質がヨウ素とセシウムだけなのですが、 これで良いのでしょうか。 小出氏:本当は良くありません。 もちろんブルトニウムというものも、敷地内では検出されていますし、 発電所の敷地の外でも距離の近い所では、 その被曝というのはあったはずだと私は思いますし、 セシウムに次いで重要なのはストロンチウムだと思いますが、 それはホールボディカウンターに掛かっても、 測定出来ませんで・・・ MC:え、そうなのですか? ストロンチウムは解らないのですか? ホールボディカウンターでも。 小出氏:はい、解りません。 MC:どうしたら良いのですか。 小出氏:私達が、バイオアッセイと言う、所謂オチッコとかウンコとか、 そういう排泄物を分析する事でしか、解りませんし、 仮にそれをやった所で、物凄い誤差があるのです。 参照:バイオアッセイ from Wikipedia MC:しかし、ストロンチウムというのは、大変人体に影響がある物質だと おっしゃっておりましたね。 小出氏:そうです。 MC:解らないのですか。 小出氏:はい。 それは影響が出て来て初めて、解るという位に 解り難いものだと認識しなければいけないのですか。 小出氏:推測の手段はいろいろとあります。 例えば、土がセシウムでどれだけ汚れている、 ストロンチウムでどれだけ汚れている。 あるいは水が、セシウムでどれだけ、ストロンチウムでどれだけ。 食べ物が、セシウムでどれだけ、ストロンチウムでどれだけ汚れている、 というような事を積み上げて行けば、 セシウムの汚染度とストロンチウムの汚染度が、 それなりに解りますので、 人間の体の中に取り込んだ比率がどれだけである、 そして被曝がどれだけであるという事を、推定する事は出来ますけれども、 相当大きな誤差を含んでしまうという事は、 覚悟しなければいけません。 MC:なかなか福島県民の方に、調査結果で安心して下さいと言うのが、 非常にその調査結果だけでは言い難いという事ですね。 小出氏:言い難いし、結果が出るのを見るのは何十年も調査を続けて、 ガンで死ぬ方の数を見る訳ですから、 大変な作業がこれから待っていると思わなければいけません。 MC:それから、原発で生み出される核燃料のゴミと言われるものについて、 質問させて頂きたいのですけれども、 使用済み核燃料というものが、燃料プールで冷やす必要があるというのは、 これまで先生の話で伺っているのですが、 全国の原発で今や行き場のない使用済み核燃料が、 それぞれの原発に保管され続けているという報道がありました。 小出氏:はい、そうです。 MC:全国、規模で言いますとプールの7割はもう既に、 使用済み核燃料、所謂核のゴミで埋まってしまっている、 という事なのですが、 これ、どこに持って行くのですか。 小出氏:これまでは、原子力発電所の敷地には、 使用済み核燃料は残らないと、国も電力会社も言って来たのですね。 何故かというと、再処理という事を必ずやるので、 再処理工場に送りますと、国と電力会社が約束をして来た訳です。 それで、従来はイギリスとフランスの再処理工場に送ってしまって、 向こうで再処理をしてもらうという事にしながら、ここまで来た訳ですが、 最近になって、イギリスやフランスに頼むのではなくて、 自分の国で再処理をするという事で、 青森の六ヶ所村に再処理工場を作ろうとしました。 所が、本来なら1997年から操業を開始するはずだったのですが、 やれば難しい課題が次々と出て来まして、 結局未だに実現していにないのです。 そして、再処理工場には、とにかく使用済み燃料を受け入れてやらないと 原子力発電所の使用済み燃料プールが糞詰まりになってしまうのでという事で、 3000トン分の使用済み燃料プールを、とにかく前倒しで作って、 そこに既に3000トン分だけ受け入れたのです。 MC:では、もう一杯なのですね。 小出氏:そうです。 既に六ヶ所の再処理工場の使用済み燃料プールも一杯に なってしまったのです。 ですから、このまま行くと、もうもうすぐ各地の原子力発電所の 使用済み燃料プールが一杯になってしまって、 糞詰まりになって原子力発電所を止めなければいけなくなるという、 そういう状況に近付いて来ていました。 MC:ひとつには、もうしょうがないから地上で保管しようという案が 出ているようなのですが、そんな事は出来るのですか。 小出氏:それを私達は、中間貯蔵施設と呼んでいます。 なぜ中間と言うかというと、必ず再処理をするので、 再処理を出来るようになるまでの中間的な置き場だという事で、 中間貯蔵施設と言っているのですが、 既に東京電力は、青森県のむつ市、下北半島の最北端ですね、 そこに5000トン分の使用済み燃料の保管施設、 中間貯蔵施設を作ろうとして、もう既に建設が始まっています。 MC:危なくないのですか。 小出氏:もちろん、危ないです。 5000トンなどという量は、 ひとつの原子力発電所が1年間に生み出す量に比べれば、 160倍、あるいは170倍位ありますので、 途方もない核のゴミを、そこで貯蔵するという事になります。 MC:地震で倒れたりして、地上にあるものが どうにかならないかと思うのですよ。 小出氏:可能性はゼロではない訳で、 だからこそ皆どの自治体でも受け入れたくない、と言って来た訳ですね。 しかし、青森県のむつ市という所が、それを受け入れるという決断をして、 今そこで建設をされているという事です。 MC:他にも伺いたい事がまだまだあるのですけれども、 また明日どうぞよろしくお願い致します。 小出氏:はい、こちらこそよろしくお願いします。 MC:ありがとうございました。 京都大学原子炉実験所助教小出裕章先生に伺いました。
by Nixe_ll88
| 2011-06-28 17:16
| 政治・反戦
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