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6月15日の「たね蒔きジャーナル」の
小出裕章助教による解説です。 メインキャスター(以下「MC」):上田崇順氏 コメンテーター:近藤勝重・毎日新聞専門編集委員 ※完全な文字起こしではありません。 また、誤字脱字等、ご了承下さい。 ( )は補足等。 MC:それでは、今日も京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんの お話を伺いました。 小出さん、こんばんは。 小出氏:こんばんは。 MC:よろしくお願い致します。 小出氏:こちらこそ、お願いします。 MC:今日は東京の近藤さんと一緒に聞いていきますので、 よろしくお願いします。 近藤氏:どうも、よろしく。 こんばんはです。 小出氏:こんばんは、よろしくお願いします。 MC:小出先生、早速ニュースからなのですけれども、 福島の原発の作業をされている方の中に、 線量計が事故の直後に大幅に不足するというような状況があって、 被曝線量を管理するのが杜撰だった、 という情報が今日入って来まして、 これについては、どのようにお感じですか。 小出氏:酷い事だと思います。 現場が大変混乱していたという事なのでしょうが、 線量計が足りないというのであれば、 福島第二原発から運ぶ、あるいは柏崎刈羽から運ぶという事も 出来たはずですので、最低限やるべき処置だったと思いますし、 線量計を持たせないまま、作業員に働かせるという事は、 絶対にあってはならない事だと私は思います。 MC:そして、この所社員の方で被曝限度を超えている人がいると。 250mSvですよね。 という情報も少しずつ来ているのですけれども、 持たずに入っている時期があるとなると、 この数字というのはどうかな、というふうに思ってしまうのですが、 この辺りはどうですか。 小出氏:そういう事ですね。 持たない間が、特に事故の初期で、一番被曝をしていた頃のはずですから、 その頃のがないという事は、決定的なデータの損失というか、 被曝の見逃しに繋がっていると思います。 MC:そうしますと、ひょっとするともっと大勢の方がこの限度を超えている というような事はあるかもしれないと、お感じですか。 小出氏:あるかもしれないと言うよりは、むしろあるだろうと思います。 MC:こういった方々が出て来ますと、 どんどんここの現場を離れなければいけないひとが出て来ますよね。 作業員の人の数というのは、今後足りるのですか。 小出氏:私は当初から、その事が心配だとずっとお伝えして来ましたし、 例えば、チェルノブイリ原子力発電所の事故の場合には、 収束させるまでに60万人から80万人という 軍人であるとか、労働者が動員されたのです。 MC:60万人から80万人ですか! 小出氏:そうです。 日本で一体そんな事が出来るのだろうかと考えると、 とてつもなく難しいだろうし、これから一体どうやって作業員を確保出来るか、 私は大変不安です。 MC:一般の人がすぐという訳には、もちろん行かない訳ですよね。 小出氏:もちろん行きません。 MC:特殊な知識とか、作業技術が必要ですよね。 小出氏:そうです。 MC:一方でそういった線量を超えてしまった人達の 今後体調的な面とか管理というのは、 どういうふうにしていかなければいけないのですか。 小出氏:場合によっては、急性放射線障害というのが 出る可能性もあると思いますので、 事故が起きた当時に、枝野さんが「ただちに健康に影響はない」という 言い方をずっとしていたのですけれども、 「ただちに健康に影響が出て来る」人達がいるのかもしれない、 と私は思いようになりました。 それがひとつですし、「ただちに影響が出ない」にしても、 それだけの被曝をしたという事は、かなりの確率でガンになる 当たりくじを引いてしまったという事になりますので、 今後そういう方々の健康をずっと調査をして、フォローをして、 場合によってはきちっと保障等をするという責任があると思います。 MC:ずっとというと、どれ位というのはあるのですか。 小出氏:何十年という単位です。 MC:では、その方のひょっとすると人生ずっとという事ですよね。 小出氏:そうです。 所謂広島・長崎の被曝者の方々と同じような重荷を 背負う事になると思います。 MC:そういった状態になりますと、 当然特殊な技能とか知識を持っている方が離れる訳で、 そうなってしまうとその方々は仕事が出来なくなりますよね。 小出氏:そうです。 MC:例えば、収入とか、今後仕事をどうするのか、というのは、 他の作業の現場があったりとかするものなのですか。 小出氏:たぶん、ないだろうと思います。 東京電力という世界でも屈指の企業が、本来であればきちっと そういう人達に対して今後の生活の保障をするという事に、 私は責任があると思いますけれども、 事ここに至ってしまっては、東京電力が何回倒産しても贖いきれない程の 損害が出てしまっている訳です。 一体そういう人達の生活をどのような形で支えて行かれるのか、 という事をもうこうなった以上は国として考える以外にないと思います。 MC:やはり、一度働けなくなってしまった人は、 もうその後は難しいという事ですね。 小出氏:そうです。 MC:一方で、次は福島市の話なのですけれども、 市内の子供さん、3万4000人に線量計を配布しよう、 という事が決まったのですが、 この子供さんに線量計を配るという事については、 どういうふうに見られていますか。 小出氏:やらないよりはやった方が良いと思います。 ただし、配る線量計によるのですけれども、 おそらくガンマー線しか感じないという、そういうものだと思います。 でも、子供というのは、地べたに寝転ぶ事だってあるでしょうし、 内部被曝という事もする訳で、 線量計を与えたからと言って、彼らの被曝量を正確に計れると 思ってはいけません。 単なる目安程度のものに過ぎないというふうに思って頂いて、 それでも福島の子供達がどれ位の被曝をするのかという事を 大人達がしっかり監視をして、出来る限り守るような方策を、 これから考えるというために使うべきだと思います。 MC:9月から3カ月配ってみて、1カ月ごとにデータを分析する というような事があるのですが、 この辺りはどうですか。 小出氏:たぶん実際にはそういう3万何千人もの子供達を調べようと思うと、 そういう線量計しか、使えないと思います。 MC:それは、どういう線量計ですか。 小出氏:たぶん、ガラスバッジかTLDという名前の線量計だと思いますけれども、 一月なら一月装着させて、それを一月後に分析に回して、 一月間の被曝量を知るという、そのような線量計です。 MC:それは、技術者の小出先生から見ると、精度とか機能性とか どうなのですか。 小出氏:機能的な面で言えば、大変小さなものですので、 子供さんが持つにしても大して苦痛にはならないと思いますが、 先ほど聞いて頂いたように、ガンマー線にしか感じません。 ですから、地面に寝転んでベーター線の被曝をするとか、 内部被曝をしてしまったとか、そういうものに関しては、 殆ど無力だと思わなければいけません。 MC:近藤さん、ここまでで何かお感じになる事はありましたか。 近藤氏:そうすると、持つ事によって比較が出来るという事がある訳ですか。 小出氏:そうですね。 どの都市の子供達が被曝が多いとか、 どこの小学校が例えば多いとか、 その程度の事は解るだろうと思います。 近藤氏:それによって安心は出来ないという事ですよね。 小出氏:もちろん、安心は出来ません。 きっと濃淡が出て来てしまうでしょうから、 被曝の多い所で生活をしてしまった子供達に対しては、 ではどうやってそれを低減出来るかというような方策に使う、と。 精々その位だろうと思います。 MC:一方で、東京都内で100か所、放射線量の測定が始まった というニュースもありまして、 地表から5cmの高さと、それから1mの高さで、 大気中の放射線量を測定しようという事で、 100か所を1週間かけて、という事なのですが、 この測定するというのが、大部出て来ていますけれども、 これについてはどうですか。 計る高さとかも、いろいろあるようですけれども。 小出氏:地表5cmと1mで計るという事は良いだろうと思います。 出来れば、子供達の被曝を知るという意味では、 50cmも計った方が良いと思いますけれども、 地表に近い所と1mという所は、基本的に必要な測定だ、 と私は思います。 近藤氏:その100カ所なのですけれども、私ら素人の考えでは、 例えば今でも新宿の数字が出る訳ですよね。 それで、所謂全国地図の上に落として数字が出ていますでしょう。 比較して低かったら何か安心したりする訳ですよね。 100か所のトータルが、仮にのきなみ低かったとしますよね。 そうすると、それ自体安全神話がまたそこから生まれたりしますよね。 すると、その100カ所というのは、常に変えて行かないと 意味がないのではないですか。 小出氏:ただ、定点で観測するという事も重要ですので、 基本的には、人々が沢山いるとか、子供達が集まるとか、 そういう場所は必ず必要だと思いますし・・・ 近藤氏:必要な所は必要だという事ですね。 小出氏:はい。 そうでない所は、定点でなくて、順番に回って行くというような事も やった方が良いだろうと思います。 MC:これまでのモニタリングというのは、 地上から1.5mであったり、80.3mという自治体もあったという事なのですが、 これについては・・・ 小出氏:全くバカげた事だと思います。 MC:どうして、こんな事になっていたのですか。 小出氏:解りません。 地上から80mって一体どんな所で計ったのかな、と私は思いますけれども、 何か高層ビルの所でやっていたという事なのですかね。 殆ど意味のない事をやっていたと思います。 MC:意味がない、とはどういう事ですか。 小出氏:東京都がやり始めたという地表5cm、そして1m、 できれば50cmというような所も決めて、 全国でそれ(測定)をやるという方向で行って欲しいと思います。 MC:あと、もう1点なのですが、一般の人でも線量計を手に入れられるような 状況でもあると思うのですが、 一般の人が計りたいという場合に、何か注意する事はありますか。 小出氏:まず、測定器の性能というのが大幅に違いますので、 何かご自分が手に入れた測定器で計った所、 その数値が例えば小さく出たから安心してはいけませんし、 逆に大きく出たからと言って、その数値だけにびっくりしてもいけないと思います。 ですから、その測定器の性能がどういうものかという事を まず十分に知って頂かなければいけませんし、 いずれにしても個人で入手出来るような測定器というのは、 本当の簡易型だと思って下さい。 ですから、値自身にあまり重きをおいてはいけませんし、 ご自分で持ったら、例えば100カ所計ってみて、 ここの場所が高い、あるいはあっちが引くいという、 そういう相対的な比較は出来ると思いますので、 まず、その事からやって、自分がなるべく被曝を少なくする、 子供達に被曝を少なくさせるという、 その目安に使うという位だと、思って頂くのが良いと思います。 MC:目安ですか・・・ 解りました。 小出先生、どうもありがとうございました。 小出氏:はい、ありがとうございました。 MC:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに聞きました。
by Nixe_ll88
| 2011-06-16 21:17
| 政治・反戦
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