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2010年3月7日に、「全国有機農業の集い 神奈川大会」にて行われた
群馬県前橋市の青山内科小児科医院の青山美子医師が記念講演について 以前このブログで取り上げた。 記念公演「農薬と人体被害の実態(1)ネオニコチノイド中毒をご存知ですか?」 メモ1 記念公演「農薬と人体被害の実態(1)ネオニコチノイド中毒をご存知ですか?」 メモ2 この記念公演では、この後、青山先生とタッグを組んで ネオニコチノイドの危険性を訴えている平久美子医師も続けて公演を行っている。 平医師の公演を、日本有機農業研究会の会誌『土と健康』 2010年11月号と12月号の報告より抜粋し、紹介したい。 (専門的な内容となっているため、私の理解した範囲での紹介となる) 記念公演 農薬と人体被害の事態(2) ネオニコチノイド系殺虫剤の使用と健康被害 -主に心電図異常について 東京女子医大医療センター麻酔科 平久美子医師 * 殺虫剤の歴史 1940年代に出た有機塩素系(DDT、BHCなど)は、 残留性が問題となり、1970年代初頭に禁止 有機リン系は、1940年代に化学兵器として開発 第二次大戦後、殺虫剤として使用 一般に残留性は低い (クロルピリフォスは例外) 有機リン系に付随し、カーバメート系・ピレスロイド系も多用される 有機リン系は、健康被害(特に神経毒税)により、 欧米では使用が制限 代替えとしてネオニコチノイド系が登場。 1990年代 * ネオニコチノイド ネオニコチノイド系殺虫剤(商品名) ・有機塩素系 ・アセタミプリド(モスピラン、マツグリーン、イールダー) ・クロチアニジン(ダントツ、ベニカ、フルスウィング、モリエート) ・イミダクロプリド(アドマイヤー、ブルースカイ、アースガーデン、 アブラムシムシ、ガウチョ、タフバリア) ・チアクロプリド(バリアード、エコワン、エコファイター) ・チアメトキサム(アクタラ、ビートルコップ、クルーザー) ・ニテンピラム(ベストガード) ・非有機塩素系 ・ジノテフタン(スタークル、アルバリン) 『土と健康』2010年11月号p.10 表1より 参照:ネオニコチノイド系農薬 生態系と人体被害、その対策の緊急性 ネオニコチノイド系殺虫剤(以下ネオニコチノイド)は、 ニコチンと似た構造式を持ち、 国内で登録されている6種は、塩素基をもつ有機塩素系。 クロチアニジンが国内で最も多く、 ついで、アセタミプリド、イミダクロプリドと続く。 ネノニコチノイドは、農業だけではなく、 林業、建材、ガーデニング、ペットの蚤とり、 床下のシロアキ防除等多岐にわたり、 また、有機リン系やカーバメート系などとの合剤として使用。 (殺虫、殺菌、肥料等) 特徴は、水溶性と浸透性。 根や茎から植物体内に取り込まれ、洗っても落ちず、 残効性(長期間効力持つ)があり、土壌・水中に長期残留する。 また分解されにくい。 つまり生分解性が低い。 (生物の体内や土壌中の微生物による分解が起こり難い) それは、環境に蓄積されやすいという事である。 低揮発性とされていたが、 「PM2.5」という直径2.5ミクロン以下の粒子状物質に吸着され、 遠くまで拡散、人体に吸入される可能性がある。 * アセタミプリド アセタミプリドは、日本で開発されたネオニコチノイドである。 平成20農薬年度で、324トン、53.1億円を売っている。 構造式には、塩素基とシアン基あり。 他のネオニコチノイドに比べ、 植物体内や水中での分解が遅く、 哺乳類の脳に蓄積しやすく、 排泄が遅い。 その上、残留農薬基準値が緩い。 また、土壌の残留性も指摘。 土壌に撒いた時、半分に分解されるには1~2日、 だが、代謝産物(分解物質)も含めると、 80%減るのに3ケ月かかった例もある。 頻繁に散布すれば、土壌に次々蓄積される。 水系汚染の問題もある。 自然水中でのアセタミプリドの半減期は349日、 一度貯水池に混入すると1年でも半分は残留する。 今後、ネオニコチノイドの水質検査が重要な問題になる。 また、アセタミプリドは、生体に蓄積しやすい。 マウス実験にて、24時間で87%は体内に残留する事が判明。 このような危険性が多いアセタミプリドの 日本の使用基準は非常に緩く、 単位面積当たり、米国の12.5倍である。 * 食品残留基準 日本のアセタミプリドの食品残留基準値は非常に高い。 『土と健康』2010年11月号p.13より EU・米国・日本、共に一日許容摂取量0.071mg/kgだが、 日本の残留基準値は、表の通りである。 2007年、内閣府食品安全委員会に申し入れ、 2011年2月から若干下がる事になったが、 ブドウは5ppmのままである。 『土と健康』2010年11月号p.13より 例えば、500mgのブドウに基準値一杯残留しているとすると、 アセタミプリドが2.5mg入っている事になる。 この位は子供でも1回で食べてしまうかもしれない量であり、 その場合、一日の許容摂取量を超え、 中毒を起こす事がある量(急性参照容量0.1mg/kg/一日)を超えてしまう。 『土と健康』2010年11月号p.13より 表7は、実際に2007年の検出例。 リンゴは食べて具合が悪くなった人から分けてもらったもの。 いずれも基準値内ではある。 茶葉は外国のお土産。 一部の茶飲料からも検出。 幸い2008年以降、茶飲料から検出された例は聞かないが、 茶飲料には残留基準すらない。 記念公演「農薬と人体被害の実態(2)ネオニコチノイド系殺虫剤の使用と健康被害」その2
by Nixe_ll88
| 2011-02-28 18:32
| シックハウス・化学物質過敏症
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