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『2010年3月20日 岩上安身氏による孫崎享氏インタビュー1』
『2010年3月20日 岩上安身氏による孫崎享氏インタビュー2』 <日本の在り方> 岩上氏:リアリストを目指すのが大事である。 孫崎氏:どこの国が、どういう形で攻め、それをどう対処すべきかを考えるべき。 日本はそれを抜きにしている。 岩上氏:アメリカと中国と日本の関係を考えた時、 アメリカと中国が対立しているという固定観念がある。 アメリカの本音は、もし中国と戦闘状態となっても、 局地戦で日本を守るとは限らない。 孫崎氏:今日本で議論されている軍事専門家は、敵地攻撃論である。 まず日本が戦い、後からアメリカが参戦すると考えている。 だが、いずれ日本の核武装論に繋がる可能性がある。 長い間、「瓶のふた」理論で、日本に核を持たせないようにしてきた。 最近アメリカ国内で少しずつ「日本の核武装論」が出てきている。 北朝鮮に対処するため、と。 1970年末、ヨーロッパとアメリカで核の議論が起きた。 ソ連の中距離核ミサイルSS20に対処するため、 ドイツにアメリカの核を配備するという計画があった。 そうすれば、ソ連はドイツに核を打ち込み、アメリカは無傷で済む。 だが、ドイツで猛烈な反対があり、見送りとなった。 その構図(ソ連-ドイツ)が、将来日本に核を持たせた時、中国-日本となり、 アメリカに大きなメリットとなる。 中国と日本が核被害でバランスを取り、アメリカにはプラスに働く。 アメリカとの一体路線=敵基地攻撃論。 <日本のゆくえ> 岩上氏:アメリカはものすごくズルイ。 ドイツは核配備で危機を覚え、その後ソ連と東欧と外交努力を行い、 冷戦構造の崩壊へと繋がる。 つまり、ドイツではちきんと議論がなされたのである。 中国-日本の構図は、アメリカが漁夫の利を狙う戦略となる。 フィリピンや韓国はアメリカにはっきりものを申しているが、日本はなぜ言えないのか。 孫崎氏:日本は占領国だったから。 ドイツは一国ではダメだからフランスと手を組んだ。 今はEUを使って国際的地位を回復している。 日本は他に協力してもらう国がなく、独力でやるしかない。 岩上氏:鳩山総理は、アジア共同体を提唱しているが、中国は信用できるのか。 孫崎氏:中国との外交は大変難しい。 20~30年経てば、中国は、経済で日本の5倍、軍事力では10倍になる。 アメリカが日本だけ優遇するシナリオはない。 日本はアメリカの唯一ではない。 フィリピンや韓国は、占領が厳しく、言論封圧がきつかった。 (日本はゆるやかだったのでアメリカ従属意識が強い) 岩上氏:日本では情報や思想の操作が行われている。 記者クラブが情報を独占し、横並びになっている。 これは自由と言えるか。 孫崎氏:イランの新聞界の方が遥かに上。 記者や新聞社は、独自のものを追いかけている。 イランで5紙あるとすると、一面の見出しは全部違う。 日本は全新聞が同じで、これは世界的に見て異常である。 岩上氏:ペレストロイカでもそうだが、ジャーナリストは、 全力で足と目と耳とカンで記事を積み上げている。 日本にそれはない。 孫崎氏:『日米同盟の正体』を書いたのは、外務省への呼びかけの意味もあった。 例えば、高知新聞で検察の裏金疑惑の取材をしようとした。 記者は、「記事を書かなかったら特ダネを提供し、書いたらマイナスが出てきますよ」と 検察に言われた。 その記者と新聞社は特落ち(検察会見から締め出される)を恐れたが、 結局書いた。そして、新聞社は記者を守った。 記者か社員かという事は、全てに当てはまる事である。 岩上氏:最後の質問、鳩山総理と小沢幹事長について。 孫崎氏:鳩山総理については、まず評価出来るのは「普天間問題」。 もし彼がいなかったら去年の10月時点で名護市海上案で決まっていた。 海上案で良かったかどうかは別として、 6か月間普天間問題で戦い、メディアに叩かれ続けた。 6か月間頑張った事は評価すべきである。 鳩山総理には私的勉強会で会っているが、小沢幹事長には合っていないので、 本当は何も言えないが。 岩上氏:小沢幹事長は第七艦隊だけあれば日米安保は十分と発言していたが。 孫崎氏:非常におもしろいのは、背景はわからないが、 源泉を探ると、戦後アメリカの占領が終わった後の外務省の考え方と同じという事。 自主独立で日本を守れなかった場合にどうするのか。 解らないのは、全政策を遂行するためか、取引目的かという事。 最後の落ち所はどこにあるのか。 第七艦隊と言っているのは、相手の動向を見ながらなのか、 その考えをつき通すのかが、よく解らない。 まず掛け値として出し、多くの交渉パターンを出すのか。 国際的交渉パターンを学んでいるのか。 岩上氏:沖縄の米軍基地移転について、民主党は参院選で負けないために頑張るか。 民主党はどうなるか。 孫崎氏:国民の意思は大変流動的。 オバマの時も1カ月で全く異なる結果となった。 不確定であり、選挙のプロでも解らないのでは。 1~2週間で風が変わる。 岩上氏:小沢幹事長の訪米の意味は。 キャンベル国務次官補が呼びつけた時つっぱね、 キャンベルは日本に来て小沢幹事長にあった。 そこで小沢幹事長はオバマに会わせろと要求した。 キャンベルが来た日が、虚偽記載で不起訴になる前日というのも気になる。 キャンベルは不起訴になる事を知っていたのか。 起訴になったら会わないはずだ。 孫崎氏:アメリカは小沢幹事長をどうするか決めてないのではないか。 不起訴になる事は日本の政治家でも殆ど知らなかった。 非常に危うい。(岩上氏:胡散臭い) 単に情報を持っている以上のものがあるかもしれない。 アメリカは、小沢幹事長の腹の中が見えていない。 彼を捨てずにゲームを続けている。まだ最終的に決めていないのでは。 アメリカの国防総省は、仕事内容の情報をYouTubeにアップしている。 例えばアルカイダやどこの政治情勢を調べているかなど。 その中に小沢幹事長の写真がチラッと出た事があった。 1991年にアメリカの言い分に近かった小沢幹事長と手を組もうとしていたのか。 岩上氏:ここで、あまりにも大きな力を背後に持つ世界に圧倒され 無力感を持ったかもしれない視聴者に向かって、何が出来るかメッセージを。 孫崎氏:日本は戦後から色々な選択をしてきた。 良い選択であり、その時期時期でベストだった。 重要な事は、敗戦国が世界で第2位の国になった事。 日本人は力とポテンシャルを持っている。 フランシスコ・ザビエルは、国王に、この国民は高いインテリジェンスを持っている、 と報告している。 教育するには最高の水準を持ってくるべきと。 大きなセミナリオなど、当時の最高水準の教育を行い、日本人はそれを吸収できた。 事実関係を理解する事。 安保の分野では正確な情報が今まで示されなかった。 正確な情報が与えられれば良い選択が出来る。 普天間問題から日米安保、そして世界の安全保障に関しどう貢献するか、 日本はまだ第2段、第3段と進むにつれ、 これはちょっと違うぞ、と思うようになり、 良い選択が出来るのではないか。 大変長い記事となってしまいました。 かなり脚色しておりますのでご了承ください。 とても興味深く、力強いインタビューでした。
by Nixe_ll88
| 2010-03-24 18:39
| 政治・反戦
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